F&Aレポート

新語・流行語大賞「働いて働いて、、、」〜「24時間働けますか」

 2025年の「新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞)年間大賞は、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が選ばれました。受賞理由は次の通りです。(受賞者紹介と解説より抜粋)

 「ここのところとんと聞かなくなった気合の入った言葉。働き方改革推進に取り組む経済界はド肝を抜かれたが、一方で、共感した昭和世代も実は多かったのではないか。『仕事ってそういうものだったな』と。多様性を尊重する働き方を実現しているところもあれば、道半ばのところもあるのが現実。初の女性総理、働いて働いて働いて働いて働いて今があるのは間違いない。国内・外交・問題は山積みで、どれも油断は許されない。働いて働いて働いて働いて働きながらも、人を活かし自分を伸ばす、高市流『シン・ワークライフバランス』で、強靭で幸福な日本をつくっていこうではありませんか」 

 この受賞を見て、「私も思い切り昭和だわ」と思ったものです。バブル絶頂期に栄養ドリンクのCMから生まれた流行語「24時間働けますか」を思い出したのですから。

 時は1989年、長時間労働や過労死が社会問題化していた頃ですが、疲労が蓄積していても頑張るビジネスマンへのエールでした。世の中全体には「日本のビジネスマンはタフだ」という誇りもあったといいます。

 残業は当たり前、少々体調が悪くても休まないのが美徳、夜は接待も盛んで、食後に自慢のようにたくさんの薬を並べて「大変なんだよね」と笑いつつ、「頑張る姿」を誇張するおじさん達もたくさん見かけました。今なら「ブラック企業」。健全な働き方とは相入れない価値観です。

 いずれにせよ、「働く」ことに一石を投じた新語・流行語大賞。働き方改革、キャリア形成、ダイバーシティなどが今後大きく進み、日本の発展と個人の幸せが向上する未来に期待したいところです。