ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2023年6月1日 №143

今年も6番目の月、6月になりました。英語ではJuneです。ローマ神話のユピテル(ジュピター)の妻ユノ(ジュノー)から取られたと言われます。ジューンブライドといって、6月に結婚すると幸せになると言われますが、カトリック教徒が多いヨーロッパでギリシャ神話が影響を与えるというのは考えにくいという説もあります。この原稿を書いている時点で、四国地方は梅雨入りしてしまい、これからジメジメした日々が続きます。

私は、大学入学から8年間東京で暮らしていましたが、住んでいたのは渋谷から吉祥寺を結ぶ京王電鉄井の頭線沿線でした。当時の電車は、今、伊予鉄道の郊外電車で使用されています。毎日乗っていた電車ですから、伊予鉄で走っている車両は、40年前に私が乗車したことがある車両であることは間違いありません。不思議なご縁だと思います。その後、松山に帰るのですが(正確には途中下車)、消費税が導入されたのはその3年後です。

私が東京の税理士事務所に勤務していた頃は、コンピュータやコピーを使って処理することが始まった時期で、手書きの作業が少しずつ変わっていく転換期でした(私が初めて書いた申告書はカーボンを利用した手書きでした)。その後、デジタル化は進み、このレターで毎月お知らせしているような消費税のインボイス、そして電子帳簿保存法につながっていきます。この新しい制度は、税制なので、関連するすべての人は対応しなければいけないということになります。そのため、私どもの事務所でも、お客様と導入方法について連日打合せを行っていますが、インボイスでの確認事項を手で行うのは無理であり、紙の領収書ならスキャンしてデジタル化することが必要だと理解される方は多いという印象です。

今までの消費税改正は、3%が5%になるという税率の引き上げが基本で、制度の大きな枠組みは変わりませんでした。しかし、今回は、インボイスがないと税法上の税額控除が受けられないという抜本改革です。電子帳簿保存法も、多少の例外は認められるとは言え、基本として、電子取引に関する帳簿(データ)は電子のまま保存する必要があり、紙で残されていても、それは帳簿と認めらないことになります。

紙で処理していたものがデジタルになる、今はその変化の時期ですが、これで終わりではありません。想像できるところをお伝えすると、デジタルと紙が同居するのはどう考えても不便ですから、最終的にはデジタルに統一されることになりそうです。そして、決算、監査、税務調査という作業も、このデジタルをベースにしたものに置き換わることになりそうです。

ここから先の具体的なところを書くスペースはなくなってしまいましたので、また機会を見て説明します。

インボイスにどのように取り組むか、会社の経理処理はオリジナルであること、長年蓄積されたものあることから、1社ずつ対応していく必要があります。10月からの運用に向けて一緒に考えて参りますので、よろしくお願いいたします。