F&Aレポート

「挨拶をしない」というマナー

「挨拶をしない」というマナー

 「知らない人に挨拶をすると危険なので、うちの子どもにはしらない人に挨拶をしてはいけないと教えている。それなのに、知らない人から挨拶をされると、どう対応していいかわからなくなる。だからいっそのこと、このマンションも“挨拶をしてはいけない”という規定を設けてほしい」という話があったそうです。SNSでもかなり話題になったようですが、貴方はどう思いますか。

 物騒な世の中なので、知らない人には近づかない方がいいという気持ちはわからなくもないのですが、だからといって「挨拶をしない」という取り決めを求めるのは言語道断ではないでしょうか。

 はじめは「知らない人」でも、挨拶をするうちに「知っている人」になることがあります。日頃の挨拶を交わす間柄が、いざという時に支え合える間柄になることもあります。

 挨拶の挨は開くというで、拶はせまるという意味です。心を開いて近づくのは、「私はあなたの敵ではありませんよ」という親しみや敬いの行為です。

 以前、警察の防犯会議に出席した際に、同じような話題になったことがあります。犯罪から身を守るには、むやみに挨拶をしない方がいいのではないかと。一同、考えさせられました。しかし、あるシニアの方の言葉が印象に残りました。

 ある地域ではあえて挨拶を推進しました。子どもからお年寄りまで、全員挨拶をしましょうと。なぜなら、日頃挨拶を交わしていたほうが不審者に気づきやすいからです。みんなが挨拶をする地域にあって、一人だけコソコソと姿を隠すような人がいたら、それこそ怪しい人なのだと。みんなで明るい挨拶を交わし合って、不審者を撃退しようという逆転の発想です。これこそ本来の「挨拶」ではないでしょうか。そんな環境をつくっていきたいものです。まずは貴方の周囲半径5メートルから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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