税・会計ニュース

裁判について思うことNEW
 自分と何も関係のない女性とその幼い子どもを殺した少年について、死刑にすべきかどうかという議論が日本中で巻き起こっていました。判決の日、私は病院にいたのですが、テレビのワイドショーでは、裁判所からの現地中継で、数分ごとに記者が現場からのレポートを入れていました。そしてそれを見ていた女性の患者さんは、「あんなヤツ死刑になって当然よね」と、看護師さんに語りかけていました。皆さんはどうお考えですか。
 確かに、親族を殺された者の悲しい思い、犯人に対する憎しみといったものは第三者には到底理解できない深いものでしょう。犯罪を犯すという行為が何であれ正当化されることはありません。しかし、その腹の底から湧き起こる感情をぶつけるものが裁判なのでしょうか。裁判で死刑判決が出れば感情的に納得できる、それでよいのでしょうか。裁判とは感情に対するはけ口なのでしょうか。
 仮に、感情の問題を解決するのが裁判であるなら、犯罪者を死刑にすることで感情の問題が解決するのであれば、感情の末に殺人を犯した犯人の理屈と裁判の理屈は同じになってしまわないでしょうか。ちょっと乱暴な議論ですが、感情的に納得できる裁判が正当なものであるとするなら、感情的に納得するために殺人を犯した犯人の行為も同じように正当化されることになってしまいます。これは大変危険なことです。
 話は少し変わりますが、この裁判と前後して、冤罪であることが明らかとなった人が国家賠償で和解をしたという話が新聞に出ていました。また、電車の中で痴漢行為をしたと逮捕された事件で、実は被害者と組んだ男が目撃者を装ってでっち上げたとという話もありました。日本のあちこちで冤罪事件が報道されています。裁判官の判断だって絶対正しいわけではありません。裁判官ほど世間を知らない人はあまりいないと言っていいくらいです。仮に裁判官が常に正しければ、三審制を維持する理由もないわけです。人間の判断に誤りはつきものです。それを前提に世の中の仕組みを考えなければいけないのではないでしょうか。
 このように裁判の背景にあるものを考えてくると、軽く「死刑になって当然よ」とは言えないと思うのです。テレビのワイドショーでは判決文の意味、裁判の意味なんて本当は報道できていないと思うのです。冤罪事件と死刑判決。被害者とその家族の感情と裁判制度の存在価値。非難を浴びながら被害者側に立つ弁護士の存在。世の中の反応を考えながら判決文を書く裁判官の苦悩。そして加害者の苦悩。
 裁判員制度では、私たちは現実の裁判を通じてこの深い現実に触れなければならないのです。市民の手に取り戻す司法とは、感情をぶつける場ではなく、社会の深い苦悩の場なのです。そして裁判員である以上、その苦悩に一定の指針を出さなければならないのです。裁判員制度の広報でもその点には触れられていません。深い苦悩の中での役割に疲れ果てて裁判所から出てくる裁判員の皆さんの顔が頭に浮かびます。
 人は生きていく以上苦しむものです。その苦しみは本人にしかわからない。同じような苦しみを経験した人でないと簡単にわかるものではないと思うのです。
 私どものサイトとしてはちょっと重たいテーマですが、世の中全体が裁判をあまりに軽く浅く見ているような気がして、あえて書いてみました。あ〜司法試験なんて途中であきらめて良かったと思う今日この頃です(決して負け惜しみではありません)。
[2008/5/18]


ねじれ国会は異常事態か?
 参院で野党が多数を占めるというねじれ国会で、租税特別措置法案が成立せず、ついに4月からガソリン代が20円近く値下がりしました。税金で言うと、揮発油税24.3円+地方道路税0.8円=25.1円がなくなったのですが、原油価格の高騰で4月から5円近い値上げを予定していたところが多く、スタンドでの売却価格は20円近く値下がりという結果になっています。
 3月までは町中が大混乱になるという話でしたが、どのガソリンスタンドを見ても、外国のように車が列をなすという状態ではなく、冷静に受け止められていると思います。ただ、あまり報道されていませんが、特定財源の問題で、道路に関する予算が執行できない状態になっていて、土木業者には仕事が回らずこちらは大変な状態のようです。そうでなくても公共工事の削減の痛手を受けているだけに、地方の土木業界の将来がますます不安です。
 で、改めて税金の問題なのですが、今回の現象は、税金が政治と深く関わっていると言うこと改めて認識させられました。そのような中で、政府が出した法案が国会を通らないことが異常事態だと言われています。しかし、本当にそうなのでしょうか。なぜ政府案が改正されてはいけないのでしょうか。政治というものは、いろいろな議論の中で、よりよいものが選択されていくべき仕事です。与党は自分の意見を何が何でも通すことが仕事ではなく、野党も何が何でも与党を非難することが仕事ではないはずです。お互いに国民のためによりよい税制を考えるというテーマで、深い議論が行われるべきではないでしょうか。しかし、新聞報道などによる限り、そのような議論が行われたとは思えません。
 私たち税理士は、年末から年始にかけて、与党の税制改正大綱や閣議決定された税制改正法案などをベースに来年度の税制改正を勉強し、セミナーなどで情報提供する機会が多くあります。過去の例では、年末の情報が国会の審議を経て何らかの改正となったケースはほとんどありません。したがって、国会通過を見通して3月には税制改正に関する本が店頭にも並びます。これこそ異常事態なのではないでしょうか。
 与野党の話し合いは馴れ合いでもなく、誹謗中傷でもなく、与党はいったん固まった法案でも野党の指摘次第では改正することも受け入れ、野党は与党に対して理論的な問題点を指摘し、改正を促す。そのような国会審議の中で、法案が改正される。諸外国でも当たり前とされているそんな政治が日本でも普通になればよいと思います。
 揮発油税と地方道路税、軽油引取税と日本人の日常会話に、年金に続いて税が取り上げられることになりました。それを気にしなければならなくなったという大変さはありますが、世の中の仕組みを知ると言うことは社会人としてとても大切なことです。政治は政治家のものではなく、国民のものですから、その点でも今回は良いきっかけだったと考えるべきかもしれません。

※今回の改正に酒税は影響ありませんのでご注意ください。また、ガソリン関係の税金以外にも、法人税法等に対する租税特別措置法も期限切れ状態となっており、こちらの対応も問題となっています。
[2008/4/16]


税制改正案内
税制改正案内103KB [PDF]
消費税改正にご注意! 1.免税点の引下げ(3,000万円→1,000万円) 平成15年の課税売上高が1,000万円を超えると、平成17年は課税事業者としての申告が必要になります。 〔注意点〕  住宅家賃や土地の賃貸・譲渡、社会保険診療等は非課税のため、課税売上には含まれません。  原則課税を選択すると、関係書類の保存が必要になります。  簡易課税は経理処理等も簡単ですが、期限までに選択届出書の提出が必要であり、原則課税よりも不利になることがあります。  定期積金などを利用して、納税資金をお早めに準備してください。
[2004/2/10]


税制改正の問題点(土地譲渡課税について)

 今回の税制改正ですが、13日(火)に閣議決定の方向 だそうです。すでに民主党が問題点の検討を始めたということで、国会の場で議 論される可能性もあるのですが、現在の小泉政権の政策能力からして、盲目的に 作業を進める可能性の方が高いように思われます。そこで、改めて問題点を認識 していただき、可能であれば、お知り合いの方にそれをお伝えいただけないでし ょうか?時間もなくて恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。


■改正される内容(抜粋)

  1. 土地・建物等の譲渡損失について、その所得内でしか損失の通算を認めず、 従来のような給与所得や事業所得のような所得との通算が認められない。この処 置は平成16年1月1日以降の取引から適用される。
  2. 所有期間5年超の長期譲渡所得について認められていた100万円の特別控 除制度が廃止される。
  3. 土地・建物等の長期譲渡所得について、公共機関等への買収の際に認められ る対応が縮減される。

■改正前の状況
 所有している不動産について含み損を抱えた国民は決して少なくない。多くの 者は、何とか維持していると思われるが、何らかの事情でその不動産を売却し、 損失の額が具体的なものとなった時、給与所得や事業所得などで所得税が発生し ている者は、それらの所得と損失を通算することで、税金が還付される。損失全 額をカバーすることは出来ないとしても、損失を他の所得と相殺することは自然 であり、それなりのカバーが行われていた。
 税金の申告業務に携わる税理士の経験から言えば、「不動産を売却すると税金 を取られる」と思い込んでいる納税者は多い。しかし、その売却が損失の発生す る取引であり、いったん納めた税金が返ってくると知ると、損失そのものは大変 悔やまれるが、このような制度で少しだけ救われたという顔になる。

■何が問題か?

  1. 所得税は総合課税の中で、給与や事業、不動産・ゴルフ会員権等の譲渡とい った各所得間の黒字や赤字についての「損益通算」を、所得税法本法の中で、原 則として認めており、今回の措置はこれに対する根本的な改正であり、また不動 産取引に与える影響が極めて大きいにもかかわらず、事前の説明がまったくなく、 一部関係者の話によると、財務省との間でも詳細な議論が行われた形跡がない。
  2. 居住用財産については、この制度を引き継ぎ、さらに損失の繰越が可能であ るかのような制度を創設しているが、この新しい制度は住宅借入金がある場合の み対応するようになっており、すべての居住用財産に対応できるものではない。 また、居住用財産に限定することについての議論も行われた形跡がない。家計に 問題があって土地・建物等を売却するのは居住用財産が最後となるのが普通と想 定され、改正案では、まず居住用財産から売らなければ救われないことになる。
  3. 二元的所得税を導入することを前提とすれば、土地・建物等が含まれる金融 資産の譲渡所得は、給与が事業の勤労所得と区別されて計算されるため、今回の 改正の処理は当然のものとなるが、「勤労者が不利となる税制を本当に採用する のか?」という大前提部分の議論がまったくされていない中で、今回の改正案を 認めれば、結果的に二元的所得税を採用したことになってしまう。
  4. 法人税においては、法人内で発生した利益と損失は当然にして相殺される。 土地・建物等の譲渡損失も、同様である。法人で認められるものが、なぜ所得税 で認められないのか?
  5. 今回の改正は12月下旬になって発表された。このため、それを知ったごく 一部の関係者が、損失が発生することが明確な取引について、数日というわずか な期間で契約を行い、改正前の対応が出来るように手続を行った。このようにク ローズドな世界で全国民を対象とする税制改正が行われるのが、民主国家として 正しい道なのだろうか?
  6. 長期譲渡所得の特別控除100万円という制度は、保有期間が長期であるた め、取得費を証明できないものも多い長期譲渡所得では有効に機能してきたと思 われるが、これについても容赦なく廃止するということについても、上記と同じ ような疑問を感じる。
  7. 不動産の価格については、下落傾向が続いている。不良債権発生のベースは、 不動産価格下落に伴う担保価値の減少にほかならない。今回の改正案のような税 制を採用するとすれば、不動産の価値はますます低下するものと思われ、その場 合、落ち着きを見せたといわれる不詳債権問題にも大きく影響する可能性がある。
  8. 株式等の譲渡所得と比較して今回の改正案の説明が行われた形跡があるが、 株式の譲渡所得と土地・建物等の譲渡所得の課税は歴史的な背景もまったく異な り、また両者を同じような制度とすることは、基本的に二元的所得税を導入する こととなり、1)がもつ問題の解決にはならない。
  9. 土地・建物等の譲渡所得については損益通算できないこととなったが、事業 用資産やゴルフ会員権等の譲渡については、制度の構成上維持されることとなり (総合課税の譲渡)、赤字が出れば他の所得と相殺可能となる。この不整合性に ついても説明が行われていない。
[2004/1/13]


来年の税制改正はどうなる?

 衆議院が10月10日に解散されました。28日公示の後、11月9日に投票が行われます。日本の将来にとっても大事な選挙だと思われますが、この時期は来年度の税制改正にとっても非常に重要な時期です。毎年この時期の新聞(特に日経新聞)には、財務省が所得税の控除を引き下げることを考えているとか、政治家がそれに反対したとか、どこかの団体が陳情したとか、税制改正に関するいろいろな記事が掲載されるのをご存知でしょうか?税制改正については、政府税調、自民党税調で議論が行われ、財務省が事務的な部分をまとめて、12月中旬に税制改正大綱が発表されます。それが年明けからの国会で予算案とともに議論されます(最終的な国会の議決は通常3月です)が、改正の基礎的な作業は年内に終了してしまうわけです。しかし、今年はどうもこの種の記事はかなり少なくなりそうです。つまり、国政選挙と重なるために、来年の税制改正・予算審議には例年並みの時間が取られることは難しくなった訳です。また、議論の中で、関係者が意見を表明する時間も余りありません。実際のスケジュールを考えると、選挙の結果にもよりますが、与野党逆転のような大波乱が起きなかったとしても、選挙後国会が開かれて新体制が整い、本格的な税制改正論議に入るのは、早くても11月後半と予想されます。こうなると、実質的な検討時間は1ヶ月もないこととなります。なお、今回の選挙では自民党税調の長老議員の多くが引退します。この影響で風通しがよくなるのか、逆に混乱を招くのか、といったあたりも注目しておきたい点です。

 以上のような状況を考えていくと、来年度の税制改正はかなり小型化されたものになると予想されます。連結納税や相続時精算課税制度といった大型の改正が毎年続いた後ですから、ちょっとひと休みという点でもよいタイミングと政治家の方は考えているのかもしれません。しかし、もしそうであるとすれば、そんな暢気で良いのでしょうか?税制は、日本経済に大きく影響しますし、巨額の財政赤字についても時間をかけて議論されるべきです(もちろん、時間をかければ良いというものではありませんが)。こうなってしまった以上、スケジュール自体はどうしようもありませんが、現在の税制が抱えている問題に対しては、短い時間でもできるだけ深く議論し、少しでも改善してもらいたいものです。

 なお、平成16年度については平成15年改正ですでに導入が決まっているものがいくつかあります。

  1. 消費税の課税事業者基準の引下げ(3000万円→1000万円)と総額表示の義務化
  2. 所得税の配偶者特別控除上乗せ部分の廃止
  3. 事業税の外形標準課税導入(資本金1億円超の法人対象)

いずれも国民にとって負担増となるものです。もし、この改正が今秋の選挙を念頭に作られたものだとすれば・・・、ちょっと考え過ぎでしょうか?

[2003/10/20]


資本金1円の株式会社設立は実現可能?

 2003年2月から、資本金1円の株式会社の設立が可能になりました。2ヶ月近くで600社の特例法人が設立されたそうです。そこで、この制度の内容について整理してみました。

■ポイント
 商法では、会社の財産的基礎を確保するために、有限会社300万円 株式会社1,000万円という最低資本金の規制があります。今回の制度は、新事業創出促進法の中で、一定の条件を満たせば、この最低資本金規制が5年間免除されるという形で認められることになっています。
 その一定の条件とは下記のようなものです。

■条件

1)「創業」であること
この制度は、今までの個人事業の法人成り、子会社の設立といった場合には適用されません。あくまでも「創業」=「新会社設立」が必要です。サラリーマンや、主婦、失業者が起業するという形で、証明書類として、勤務していたサラリーマン時代の源泉徴収票や、被扶養者であった証明等が必要になります。

2)計算書類の提出
会社の信頼性を確保するため、決算書は経済産業局を通じて公開されることになります。

3)配当の制限
会社の資本が少ないわけですから、その充実のため、一般の会社よりも配当の条件が厳しくなっています。

4)5年以内の増資
この制度のポイントは、ほとんどここに集約されます。5年以内に最低資本金まで増資することができなければ、基本的に、解散または合名会社等への組織変更ということになります。

5)経済産業大臣の確認
この制度の適用を受けるためには、地元の経済産業局に確認申請書を提出しなければなりません。法人登記をする際にも、経済産業局の確認書が必要とされます。

■注意事項
 一般的に、この制度は、起業の道を広げる良い制度だという評判です。確かにその面は否定できませんが、注意すべき点もいくつかあります。

1)資本金が完全に不要になるわけではありません。最低資本金を5年内に用意する必要があります。事務所を出す、人を確保する、パソコンを買う等々、ビジネスには資金が必要です。スタート時点で最低資本金を用意できなかったということは、それ自体ハンディキャップなのですから、法人設立後はしっかり利益を確保する厳しさが必要です。

2)銀行から融資を受けるためにも、資本の部が小さい以上、かなり厳しい審査があると思っておかれたほうが良いと思います。特に、最近の銀行事情から、歴史のある企業でも融資には難しい現実があり、担保や保証人を求められることもあるでしょう。

3)法人設立費用として約20万円〜30万円、赤字でもかかる法人住民税の均等割は毎年約8万円、労働保険と社会保険の負担。これに書類作成を司法書士や税理士に依頼すると、追加負担が発生します。自分で登記申請書類や決算書、法人税の申告書を作成するにも、ある程度の知識が必要です。この制度は、あくまでも設立時の最低資本金のみの特例措置で、設立以降の税金等についてまでの特典はありません。

 以上のように、この制度は起業を後押しするものではありますが、成功までしっかり見守ってくれる制度ではないことを自覚すべきです。5年という期限設定は冷徹です。300万円や1,000万円持って会社を始めても成功できない時代、ビジネスは夢だけで実現できるものではなく(もちろんそれはとっても大事なものですが・・)、周りの方々との信頼関係や資金、そして利益が必要です。しかし、その厳しさをしっかり受け止めて、自分の暖めてきたビジネスを実現しようと真剣に考えてきた方が、制度に甘えるのではなく、一つのきっかけにしてみようという発想で取り組めば、大きなチャンスになるかもしれません。大企業でも破綻することが珍しくない今のような時代に求められているのは、「自立」です。起業で成功する人が増えれば、組織偏重主義だった日本人も少し変化するかもしれませんね。

●手続き等詳細のページ(経済産業省ホームページ)  http://www.meti.go.jp/policy/mincap/index.html

[2003/4/30]


自民党 時価会計凍結法案を議員立法で提出
問題は、時価主義ではなく、時価主義に反映される景気なのではないでしょうか?これは証券取引法の改正を狙ったものですが、この法律は投資家保護のためのルールです。時価主義が果たして会計のルールとして正しいものか?という難しい議論はあるとしても、今回はどうもそのような話ではなさそうです。投資家の目をごまかして済む話じゃないと思うんですけどね。まさかエイプリルフールなんてことは・・・
[2003/4/01]


2002年度末日経平均株価21年ぶりの8000円割れ
いやいや大変なことになりました。上場企業は、会計の基準に「時価主義」を採用しており、保有株式については、3月末の株価で評価して決算書に計上することになります。つまり、自分の会社の経営成績だけでなく、保有している会社の株式の成績まで反映されてしまうわけです。一般的に事業会社が保有している株式は少ないのですが、銀行・保険といった金融機関は大量の株を保有しており、この影響は決して小さくないものと思われます。
[2003/3/31]


来年度予算が成立
2003年度予算が成立しました。予算の成立=税制改正法案も成立したことになります。1年後、日本はどうなってるんでしょうね?
[2003/3/28]


公示地価12年連続下落
今年1月1日現在の公示地価は、12年連続で下落しました。13年前まで土地は絶対上がるものだったはずなのですが、12年間ずっと、そして今年もその神話は崩壊し続けてきました。12年といえば、干支一巡ですね。公示地価とは、土地取引の指標として国が決定する土地価格です。国が指標を決めてどうするんだ?という問題もありますが、相続税・贈与税の評価の基準となる路線価や固定資産税評価額は、この公示価格をベースに決定されます。つまり、どちらも間違いなく下がるということです。固定資産税は、ちょっと特殊な計算方法をしているので、むしろ上がる土地のほうが多いと思いますが(ここが理解に苦しむところなんですね)、相続税は間違いなく下がりますね。でも素直に喜んでよいものやら?
[2003/3/23]


米英両国 イラク攻撃開始
ついに始まりました。仮にブッシュが勝ったとしても、戦後の世界経済の枠組みは大きく変化することは間違いない・・・でしょうか?
[2003/3/20]


みずほ増資 総額1兆800億円
当初予定を上回ったので、海外調達しないとのことですが、海外調達できなかったから、国内で予定を超えて必死に集めたんじゃないのかなぁ?どうも不自然・・・
[2003/3/12]


産業再生機構の初代社長に野村證券出身の斉藤惇氏
今週発足する産業再生機構の初代社長に野村證券出身の斉藤惇氏が就任することになった。日銀総裁同様、こちらも難人事だったようですね。産業再生機構が本当に機能するには、官僚的な「整理」の感覚ではダメだと思います。本当に再生できるものを見抜き育てる能力が必要です。相当にタフな仕事ですね。
[2003/2/28]


失業率5.5% 過去最悪水準
総務省発表の1月の完全失業率は、過去最悪の水準と並ぶ5.5%を記録した。これを高いと見るか、まだまだと見るか・・・。ただ沖縄8.3%、大阪7.7%というのはちょっと注目です。
[2003/2/28]


伊予銀行 地域VB育成ファンドを設立
伊予銀行は、いよぎんキャピタルと愛媛県を中心としたエリアでベンチャー企業等を育成対象としたファンドを設立すると発表しました。ベンチャーファンドの資金は、地方にはなかなか入ってこないだけに、このようなファンドは起業家にとってとても貴重だと思います。ただ問題は、地方でもベンチャービジネスをやっていける土壌を育てることです。「ただの金儲け」ではベンチャーは失敗する可能性が高いと個人的には思っています。
[2003/2/26]


日銀総裁に福井俊彦氏内定
日本銀行の速水融総裁の後任に福井俊彦富士通総研理事長が内定した。デフレ克服という世界が注目する難題に取りかからなければならないというミッションはとても大変だと思います。(詳細は「Seijiの金融情報」)
[2003/2/24]


アメリカ貿易赤字最大4352億ドル
米商務省発表によると2002年の米貿易赤字は対前年比21.5%増の4352億ドル(日本円で約52兆円)と過去最大となった。米国はすでに財政赤字拡大の懸念もあり、これにより再び双子の赤字に苦しむ可能性が出てきた。こんな時に外国に軍隊を派遣してて良いんでしょうか?エ?こんな時だから戦争するんだって?そんな・・・(絶句)。
[2003/2/20]


確定申告スタート
今年も確定申告がスタートしました。土、日の関係で、税務署の受付は、本来2/16〜3/15のところ、2/17〜3/17となります。私どもの事務所にとっても、これからの1ヶ月は大変な時期です(お客様から「稼ぎ時ですな!」と言われますが、実際はそうでもありません)。かつては納税者が税務署の職員と「経費になるかならないか」をめぐって言い争っていた確定申告、最近は「自書申告、自分で書いて郵送で」などと書かれた看板も見かけます。税務署の職員は書き方を指導するだけ。申告書もタッチパネル式のコンピューターに任せ、静かなものです。これが近いうちに電子申告ということで、インターネットを通じての処理も可能になり、サラリーマンの年末調整もなくなるような話も聞かれます。いずれにしても税金の申告風景はこの数年で大きく変化したといえるでしょう。問題は中身です。税に対する納税者の意識と知識。税務署の行政システム。それから税法そのもの。巨額の財政赤字を抱え、国の将来に対する不安が高まっているだけに、個人向け国債だけでなく、財政と税について、みんなで研究、議論し、理解を深めるようにしたいものです。「節税」の気持ちは十分理解していますが、国家の存在がある以上、税はどうしても必要なのですから。
[2003/2/17]


医療費3割負担をめぐり、小泉首相と厚生族議員の対立再燃
今年4月から健康保険の被保険者本人も家族同様3割負担になることをめぐる話です(従来は2割)。昨年の通常国会で決める時になぜもっと深く議論しなかったのでしょうか?いつものこととは言え、日本の政治家に対する信頼感が、まだ底があるのか!と思うくらい、ますます低くなってゆきます(厚生族の狙いは別との見方もありますが・・・)。この件と直接は関係ないんですが、平成15年度の税制改正も将来同じようなことになるのではないでしょうか?特に消費税改正と事業税の外形標準課税導入(当面は大企業のみ)ですね。導入直前になって、「これは何だ!」という反発が起きる可能性大です。もっともその点は財務省も上手で、衆議院選挙がすでに終わっていると思われる平成16年以降に影響が出るようになっています。しかし、そうなる前に、今国会で真剣に議論されることを望みます。
[2003/2/16]


納税者番号 選択制で導入を財務省が検討
平成15年の税制改正で、相続税・贈与税の一体課税が導入されることになりました。納税者番号制の導入は制度として当然の帰結であり、同時に財務省の長年の夢の一つが実現します。政治家にとっても2500万円の非課税枠ができたということは選挙民に対して、(表面的な減税ですが)大きな成果を見せることになります。そして例によって日本経済新聞を通して既成事実のように公表されました。なぜ相続税・贈与税の一体課税が納税者番号制の導入なのか?それは、今回の改正案では、生前に行なわれる贈与を相続時点で相続税として精算される制度となっていて、贈与者と受贈者について、その住所や財産の状況を税務署が長期間かつ正確に把握する必要があり、そのためには個人に特定の番号を付与することが必要であるということになります。完璧な「水戸黄門」の世界ですね。納税者番号制は、先進国の多くで導入されています。この制度自体が悪いというわけではないと思いますが、納税者番号制との関連について議論することなく、国民に「受ける」部分だけを優先し、課題は後回しとする。さらに特定に新聞にリークするような方法が果たして正解なのでしょうか?一体課税自体からもっとオープンな議論が必要です。国の制度は財務省のためではなく、国民のためにあるはずですから。まして税金は全国民に関係する重要なものです。
[2003/2/06]


個人国債発行 約500億円扱った郵便局は正午過ぎに完売
ン〜どんなもんでしょうか?この商品を買うかどうかは賛否両論あるところですね。私はどうしても戦時国債のことが頭をよぎります。もちろんそんな時代を知ってるわけではありませんが、知らない人が多いことが問題です。それからこの記事のすぐ横に米国財政赤字過去最大に・・・という記事が。日本人が戦後一生懸命貯めた貯蓄はこの両国の財政に費やされているんですね。現在の金利情勢から飛びつきたくなる気持ちはよくわかりますが、それにしてもリスクが大きい。ン〜何と申しましょうか?大手銀行の株を買うのとどちらが良いんでしょうね?保険に入っていても、銀行に預けても、郵便局に持って行っても、結局国債に流れているという点では同じなんですが・・・、それから最終的には税金で返済されるということも。
[2003/2/04]


失業率5.5% 2002年12月
厚生労働省が発表した2002年12月の完全失業率(季節調整値)は5.5%と過去最悪を記録しました。事業税の外形標準課税が導入されれば、かなりの確率でもっと悪くなるでしょう。もし失業したら何をしてメシを食うか?日本人全員が真剣に考えるときです。私も時々考えます。
[2003/1/31]


東京都銀行税訴訟 2審も都が敗訴
東京地裁はあの藤山裁判長でしたので、2審は国が逆転するとの予想を覆しての判決でした。導入直後は「石原知事アッパレ」という論調が多かったような気がしますが、今回の判決はちょっと解釈が難しいようで、各紙とも取り扱いは冷静です。平成16年度からは他の大企業にも本格的な外形標準課税が導入される方向で検討も進んでいます。私個人としては、外形標準課税が企業のコスト削減をさらに強いることになってしまい、失業・事務所縮小等々により、日本経済にはマイナスに働くと思うのですが、皆さんどう思われますか?
[2003/1/30]


もんじゅ設置許可無効 名古屋高裁判決
高等裁判所で国の政策にストップをかけるのは珍しいことです。しかし、仮に原発政策が大きく見直されることになると、大変な騒動になるでしょうね。
[2003/1/27]


直接税比率40年ぶりの低水準に
景気が悪いのだから、直接税の比率が下がるのは当たり前です。そこで、消費税や事業税を改正しようという動きがあるわけです。財政にとっては、当然の帰結なのかもしれませんが、仮に景気が回復した時には、直接税なら当然増額しますが、間接税は少しだけ増額となります。それでもよいんでしょうか。まさかその時は直接税にシフトなんてことないですよね???
[2003/1/26]


みずほFG 最終赤字1兆9500億円
みずほフィナンシャルグループは2003年3月期の最終赤字が1兆9500億円になる見通しと発表。2月中に取引先などに増資を要請し、3月末までに1兆円の資本を調達する計画。本当にギリギリのところまで来たような気がします。地方銀行で過去にあったような事にならなければ良いのですが・・・。うちにはまさか増資要請はないと思いますが、そうなったらどうしよう?ちょっと心配。
[2003/1/21]


法人税の還付で自治体が困惑
法人税の還付で自治体が困惑。一般の方にはこの理屈はちょっとわかりにくいかもしれません。要は、昨年に比べて今年の経営成績が悪いということです。しかし、こんな話が記事になるくらいだから、本当に大変なんですね。
[2003/1/12]


家計の国債残高13兆800億円
日銀資金循環統計(速報)で家計の国債残高13兆800億円。債券は絶対安心ではありません。ご注意を。
[2003/1/08]


4大国際会計事務所2002年収入、5兆6,500億円
4大国際会計事務所2002年収入、5兆6,500億円、M&A減少で伸び鈍化。鈍化といってもすごい・・・(ただただ・・ため息)。
[2003/1/07]


イチロー申告漏れ
イチロー申告漏れ 有名人の会社を使った節税策は最近チェックされることが多くなりました。それにしても、新聞を読む人が少ない時期に発表される事はラッキーかも・・・。
[2003/1/03]


2002年の出生者数最低の115万6,000人
2002年の出生者数最低の115万6,000人。結婚年齢の高齢化の影響も大きいと思います。しかし、年金その他諸々の問題を厚生労働省はもう少し早く公表して、具体的な対策を打つべきだったのではないでしょうか?戦時の「産めよ増やせよ」を意識したという話もありますが、それにしても相当な責任問題ですよね。
[2003/1/01]


平成15年度政府予算
平成15年度の政府予算が閣議決定されました。一般会計総額81兆7,891億円。歳入では、税収として41兆7,891億円(対前年比10.7%減)を見込んでいますが、大丈夫なんでしょうか?これからどんな国債のCMになるのか?こちらは楽しみです。
[2002/12/24]


米金融コンセコ破綻
米金融コンセコ破綻 日本ではあまり注目されていませんが、アメリカ経済の状態も相当悪いようです。
[2002/12/17]


与党、平成15年度税制改正大綱決定
与党平成15年度税制改正大綱決定。相続税・贈与税の一体課税、事業税外形標準課税の導入、消費税の益税対策、配偶者特別控除の廃止等々、昨年までのリストラ対応税制から一歩踏み込んだ改正ですが、実際は増税と財務省の税務執行強化の匂いがプンプンします。
[2002/12/13]


K-1グランプリの脱税
K-1グランプリの脱税。K-1の石井社長は愛媛県出身。ちょっと残念です。しかし、この類の記事はどこが発表するんでしょう?到底本人が出すとは思えないし・・・ネ、財務省の方?
[2002/12/08]


公認会計士試験の資格取得を簡素化
金融庁は、公認会計士試験の資格取得を簡素化する方針を発表しました。絶対的に不足している会計士の増加を目的とすることが主眼と思われます。各方面で問題解決が必要だと思われますが、最終的には、税理士制度との一本化もありうるのではないかと思われます。業界人としては大きな分岐点になるかもしれません。
[2002/12/04]