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年内の解散・総選挙実施観測について [2014/11/12]

 消費増税先送り後、年内の衆議院解散・総選挙実施という観測がにわかに高まっています。

 この背景には、今年4月以降に景気が失速したことから、来年10月の消費増税実施後に同じことになれば再来年夏の参議院選挙で勝てないかもしれないので、消費増税とともに景気対策をしっかりやりたいという官邸の意向があるのではないかと言われています。

 しかし、現在のところ官僚の景気対策案が十分ではないので、もっと大規模に出させたい訳です。解散となれば消費税率引き上げは数年間困難になりますから、官僚も大規模な景気対策を行うだろうという思惑と思われます。結局、官僚としても数年分の税収をフイにするよりは景気対策を行うほうが得策だと判断するのではないでしょうか。

 万一、消費増税先送りで解散・総選挙を実施する場合を想定すると、株価には一時的な上昇要因となります。実際、昨日からの株価上昇はそれを織り込む動きとなっています。しかし、そうなれば、安倍政権の求心力が低下し、アベノミクス政策の推進ができなくなると懸念されます。つまり、中期的には株価の下落要因となります。

 野党の選挙準備が整わない間に解散・総選挙をすべきという意見もあるようですが、景気に配慮して増税先送り判断することの是非を問うために解散するというのでは大義名分が立ちません。解散と同時に来年度予算編成や景気対策の作業が止まってしまうからです。

 歴史に名を刻む政権になることを望むのであれば、消費増税を決め、十分な景気対策を準備した上で解散すべきではないかと思います。

酒井からのコメント

 今回の件は、消費税が関わっての解散で、個人的には違和感を感じます。それも、消費税の税率引き上げを問うという解散であれば良いですが、どうもそうではないようですね。しかも、来年度の予算や税制を固めるこの時期で良いのかという問題もあります。他にも様々な問題がありますから、選挙でしっかり議論していただきたいところです。


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