F&Aレポート

F&Aレポート 2022年8月20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

コミュニケーションは違いを認め、歩みよることから始まる

「自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと、それは、強さとは言えません。本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れること、思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです。」

 これは令和4年8月6日、原爆記念式典で述べられた「平和への誓い」(こども代表)の一節です。お互いの違いを認め歩み寄ることが、コミュニケーションの一歩となることをあらためて思い出させてくれました。インドの寓話にも戒めがあります。

<群盲象を評す>
 ある国王が、6人の盲人を集めてゾウに触れさせ、それが何であるかを答えさせた。
足を触った盲人は「柱のようです」と答えた。尾を触った盲人は「綱のようです」と答えた。鼻を触った盲人は「木の枝のようです」と答え、耳を触った盲人は「扇のようです」と答えた。腹を触った盲人は「壁のようです」と答え、牙を触った盲人は「パイプのようです」と答えた。
 王はその様子をみて「あなた方は皆正しいが、お互いが『自分が正しい』と、言い張って、真実に気づかないのだ」と嘲笑した。
 しかし、この盲人の姿こそ私たちの姿ではなかろうか。違いを受け入れず、自分が正しいと主張するだけでは対立は深まるばかりで、真実にはたどり着けないのだと。
 この話の教訓は、同じ真実でも表現が異なる場合もあることであり、異なる信念を持つ者たちが互いを尊重して共存するための原則を示しています。

 考え方、価値観、習慣などの違いを知るのもコミュニケーションから。違いを知ってお互いに歩み寄ることで、新しい価値観が生まれるかもしれません。