F&Aレポート

F&Aレポート 2022年7月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

日本は世界一眠らない国?

 突然ですが、最近の調査で企業が高校新卒者に求める条件の上位は以下の通りです。

  1位「コミュニケーション力」
  2位「協調性」
  3位「基本的な生活態度」

 案外、あたり前のことじゃない?と思われるかもしれませんが、この「あたり前」が、難しいのです。たとえば、3位「基本的な生活態度」には、挨拶や返事ができる、約束やルールを守るといった社会生活だけでなく、起床や就寝という生活習慣の根本が問われています。

 そこで見落とされがちなのが「睡眠」。質のいい睡眠をとることができれば、体力、気力も充実し、規則正しい生活にもつながり、パフォーマンスの向上にも影響しますが、最近は睡眠障害を抱えている人が少なくありません。

 OECD(経済協力開発機構)の統計(2018年)によると、「1日の平均睡眠時間は、多くの国が8時間を超える中、日本は7時間22分。これは33カ国中のワースト1」だそうです。この調査から数年たった現在は、「睡眠時間6時間未満の人が40%」(厚生労働省の報告)で、さらに短くなっています。

 この背景には、働く時間や通勤時間が長いといった日本特有の働き方に加えて、24時間営業の店舗やインターネットの普及による生活の夜型が挙げられます。

 睡眠不足による懸念としては、

  1. 免疫力の低下で感染症などの病気にかかりやすくなる
  2. ホルモンバランスが崩れ太りやすくなる
  3. 目覚めが悪く、眠気や疲れがつきまとう
  4. 日中のパフォーマンスが下がる
  5. 交通事故や業務上のミスが増える
 などがあります。「基本的な生活態度」の改善は、まずは「睡眠」から見直してみてはいかがでしょうか。