F&Aレポート
F&Aレポート 2021年8月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
声の力。「マスク声」でも好印象を
「声が人間関係を支配する」と説く「声の秘密」(アン・カープ著)では、相手に印象を与えるのも、話に説得力をもたえせるのもすべては「声」しだいだといいます。
著書では次の通り、声が持つ偉大な力を紹介しています。
一言で言ってしまえば、声は空気の振動に過ぎないが、驚くべき力を持っている。声を作り出すときには、体のさまざまな部分…肺、腹部、喉、唇、歯、舌、口蓋、顎…が協力し合っている。
そのどれか一つがわずかに変化するだけで、まったく異なる気分や意味が伝わる。(中略)
声は人間が持つ極めて強力な道具であり、意思の疎通において何より重要なものと言っていい。声は体の一部であると同時に心の一部である。声は内なる世界と外なる世界をつなぐ架け橋だ。
声はいろいろな情報をあらわにする。恐れ、力、不安、卑屈、活力、真偽。他者についても自分自身についても、それらを知る手がかりを与えてくれる。私たちは声を利用して、人を引き寄せもすれば追い返しもし、その気にさせもすれば意欲をくじきもする。
動物ならば匂いを使うところを、人間は声で行なっている。
本文の「肺、腹部、喉、唇、歯、舌、口蓋、顎…が協力し合っている。そのどれか一つがわずかに変化するだけで、まったく異なる気分や意味が伝わる」のであれば、現状コロナ禍のマスク生活ではどうでしょうか。唇、歯、舌、口蓋、顎などの多く部分が、マスクによって制御されています。これを「コミュニケーション力の低下」として警笛を鳴らす専門家もいます。
そこで、「声のトーン」を変化させることをお勧めします。大きな声を出すことは憚られる今日ですが、音量を上げなくとも、声のトーンを上げ下げすることはできます。
地声の音程を「ド」の音とするなら、二音高い「ミ」の音。二音低い「ラ」の音で、発声してみると印象はガラリと変わります。オンライン会議や電話でのやり取りなど、マスクを着用しているからこそ工夫したいものです。「ミ」と「ラ」の音を頭の中でイメージしてから声に出してみましょう。