F&Aレポート

F&Aレポート 2021年7月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

戦略的質疑応答「答え方」3つのルール

 講座や説明会、またはプレゼンの最後に「何か質問はありますか?」と、尋ねることがあります。このときの答え方には3つのルールがあると私は考えています。そのルールは、日頃のコミュニケーションでも活用でき、意思疎通だけでなく「共感」を生み、相手への「承認」をももたらす効果があると感じています。その3つのルールとは次の通りです。

  1. 質問者に感謝を述べる
     例「ご質問ありがとうございます」

     特に一番初めに質問をする人は、かなり勇気を持って発言をしているはずです。その勇気に対してお礼を述べること。また、質問をするということは、それだけしっかり聞いているということでもあります。その姿勢に対して感謝の意を伝えたいものです。
  2. 質問の内容を確認する
    例「ご質問は、○○についての具体例を知りたいということでよろしいでしょうか?」

     意外にこの確認ができていないケースが多いのです。発言者は、質問に対して即回答したくなるのですが、質問の意図を確認することで思い違いを防げますし、その場に同席している他の人に対しても、質問の内容を周知徹底し理解を深めることができます。
  3. 回答した後に、答えになっているかどうかを確認する
    例「答えになっていますでしょうか」「こんな回答でよろしいでしょうか」

     質問に対して、聞き手が理解できる言葉で内容を盛り込み、かつコンパクトにまとめなければ質疑応答になりません。うまくまとまらない回答になったとしても、この言葉で、回答をひとまずまとめ、次の質問を促すなどの展開を図ることができます。
 質疑応答は、「ついで」ではなく説明の一部です。説明を捕捉できたり、「ここだけの話」を披露することもでき、聞き手とのコミュニケーションを図ることもできます。万一の「質問が出てこない」ケースにも備えて、小ネタを準備するなどして、有効に時間を使うと、全体として良いプレゼン(説明会)だったという印象を残すことができます。また日頃の会話では、落ち着いた受け答えができる印象につながるのではないでしょうか。