F&Aレポート
F&Aレポート 2012年12月30日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
年頭挨拶はタイムリーな話題を添えて明るいスタートを
"らしさ"のある挨拶が聞き手の心を動かす
年末年始の休暇中、新年互礼会挨拶や、組織や団体の年頭挨拶の準備をするという人のために、ポイントと準備の仕方をレポートしたい。「一年の計は元旦にあり」と言われる通り、年頭挨拶が決まれば、より良いスタートが期待できそうだ。挨拶をスッキリと力強く伝えるのは、才能ではなく準備と努力である。
1.そもそも、正月の挨拶とは
本来、日本の正月行事は、公家や武家の社会と密接な関係にあった。朝廷では天皇が四方拝を行い、国民の一年の安寧を願い、武家社会では元日を年賀(慶び)の日と定めて、家臣に忠誠を誓わせた。この年賀のしきたりが一般に伝わり、上司や知人を訪ねる年始回りとなったといわれている。また、武家だけでなく、江戸の商家でも正月にひいきの客筋に正月の挨拶の書状を送る風習があった。この書状による新年の挨拶や、年賀の誓いが年賀状になったというわけである。(飯倉晴武「日本人の礼儀作法のしきたり」)
いずれにせよ、年頭の挨拶は日本人の仕事始めの原点ともいえる風習なのだ。
2.年賀挨拶の組み立て
- 新年を祝うことば
あけましておめでとうございます/新年おめでとうございます/皆様とともに、こうして新しい年を迎えることができたことは大変光栄なことでございます - タイムリーな話題
自身の体験による気づき(些細なことでも可)/その他、時事ニュース/政治・経済問題/干支の話など。 タイムリーな話題が、あとで述べる抱負や目標とつながるのが良い。四字熟語や漢文などを紹介する場合は、引用するだけでなく、なぜその言葉を紹介するのか、その言葉に対する思い入れや経験などを説明する - 企業や組織を取り巻く環境
現状や厳しい環境を語ることで、危機感、緊張感を共有する - 一年の目標や抱負
未来に向けての方向性や、希望、あるべき姿をイメージさせる - まとめ
一字一句原稿を読むのではなく、一人ひとりに語りかけるように。できればカンペ(カンニングペーパー)は無し、自分の言葉で伝えるのがベター
個人差はあるものの、原稿用紙1枚(350字〜400字)がおよそ1分のボリュームである。話したい内容を一度原稿に起こしてみるのはおすすめである。頭の中で漠然とイメージするのと、一字一句書くのとでは挨拶の出来不出来に雲泥の差がある。また、書くことによって、余分な言葉や、わかりにくい言い回しがチェックできる。 原稿を書くと言っても、実際には、パソコンで文字数を設定して打ち込んでいくので、コピペ機能を使うなどすれば原稿書きは意外に容易である。
原稿を書くのが苦手な人は、ダイレクトに挨拶をスマホなどで録音してから、それを原稿に書き出してみても良い。これは、自分の話し方の癖や声の感じもチェックできる。
ただし、原稿は自身の頭の中をまとめるために書き出すので、原稿は書いても見て喋るわけではない。原稿から、要点とキーワード、まとめ方だけをメモして、そのメモを見ながら声に出して練習する。できれば、誰かに聞いてもらってダメだしをもらうのがいい。
方言大歓迎。「体験を盛り込んだ」らしさのある挨拶でスタート新年をスタートしよう!
[Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]