F&Aレポート

F&Aレポート 2022年5月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

採用面接の進め方?『敵もさる者』面接は真剣勝負の舞台 2

 「採用面接の手順とポイント」をまとめた前回に続いて、今回はさらに「面接のポイント」と「深掘り質問」について、もう少し詳しく見ていきましょう。あらためて注意したいことは、「学生だからといって上から目線で対応しない」「面接に来た学生が将来、自社のお客様になる可能性もある」ということ。悪い印象を残すと、その対応のまずさをSNSで発信され企業イメージが下がる例は山ほどあります。言うまでもなく企業側も選ばれる側の身なのです。「企業は人なり」です。採用面接の方向性、やり方、ルールを統一し今一度、見直してみましょう。

1、深掘り質問 ポイントI「理由」「説明」「疑問」「条件」を詳しく聞く

  1. 理由を問う
    「なぜそのように考えたのですか?」「どのような経験からそう思ったのですか?」 「それはどのような理由からですか?」
  2. 説明を求める
    「あなたが当事者だったらどうしますか?」「それはどういうことですか?」 「もう少し具体的に説明していただけますか?」
  3. 疑問をぶつける
    「それは◯◯とは限らないのではないですか?」「他に考えていることはありますか?」
  4. 条件をつける ← 質問をさらに具体的にすることができる
    「一番重視していることは何ですか?」「それは周囲と比較してどの程度◯◯ですか?」 「私にもわかるように話していただけますか?」
2、深掘り質問 ポイントII <状況>→<目標・目的>→<行動>→<結果>

<基本質問> 「学生時代に最も頑張ったことは何ですか?」
<状況>   「なぜ取り組むことになったのですか?」
<目標・目的>「どのような目標がありましたか?」
<行動>   「目標達成に向けてのどんな行動をとりましたか?」
<結果>   「結果はどのように?周囲はどのような反応でしたか?」

3、面接でありがちなエラー

<面接者の多弁>
×知っている部活、バイトの話の乗ってしまう
×新入社員への期待を語ってしまう
*学生8:面接員2の会話量が良いとされる

<決めつけ誘導>
×知ってる部活、バイトの話を決めつけで否定
×「〜だよね」「〜でしょ」と語尾につける話をする
* 学生の主張は、いったん受け止める

<事務的>
×事前に決めてきた質問を淡々と聞く
×学生の話に無表情で表情を崩さない
* 面接も会話のように、うなづきながら聞く

<下を見てメモばかり>
*学生の表情や仕草から判断できることはたくさんあるので、見逃さない

 最後に… 面接で「良い人を選ぶ」こと、企業側も「良い印象を与える」ことは重要ですが、それ以前に「良い人材に入りたいと思ってもらえる会社・職場」であることが最大、最良の採用活動です。職場で社員が健やかに育成されているか、放置されていないか、職場の風通しがよくパワハラなどが横行していないかなど全員で注視する必要があります。

 「良い職場」と思えるかどうかのひとつの基準は、「我が子を入社させたい」と思えるかどうかです。採用活動を通して人材育成を見直してみましょう。