F&Aレポート
F&Aレポート 2021年12月20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
「心理的安全性の高さ」と「生産性の高さ」は比例する
「心理的安全性」という言葉を聞いたことはありますか?
「心理的安全性」が担保されていると、生産性の向上や働きやすい環境になると言われています。
「心理的安全性」とは、周囲の反応に怯えることなく、安心して働ける状態を指す言葉です。
「心理的安全性」は、1990年にハーバード大学の教授により提唱されました。Googleが2012年から生産性向上プロジェクトに取り組み、約4年の歳月をかけさまざまなチームを分析した結果、「成功するチームは心理的安全性を担保している」という結論にいたりました。(Tayori Blog参考)
1、心理的安全性の測定方法
心理的安全性を測定する方法は、「質問による測定」と「観察による測定」があります。質問による測定では、チームメンバーに対して「心理的安全性を測る7つの質問」を投げかけて、質問への答えから心理的安全性を測定します。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘しあえる
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である
- チームの他のメンバーに助けることは難しい
- チームのメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
- チームのメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる(引用:Google)
2、心理的安全性が確保されていることのメリット
心理的安全性を確保されていると、次のような3つのメリットがあります。
- ポテンシャルを最大限に発揮できるようになる
どんなに高い能力の人材でも、精神的に萎縮しては、本来の能力は発揮できません。 - 情報共有やアイデア・改善策の提案が活発になる
心理的安全性の低い職場では「こんなことを言って否定されたりバカにされたりしないだろうか」という不安がつきまといます。活発な意見交換はできません。 - 定着率が高まる
心理的安全性の確保は、人材の定着率向上にもつながります。
では心理的安全性を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。
- 多様性を認める
多様性が認められた職場では、発言することに対して不安がなくなります。また、多様性を認めることは、メンバー同士が尊重しあう風土の形成にも役立ちます。 - 組織の透明性を上げる
仕事内容や評価基準の透明性を上げることはもちろん、自分が出した意見がどのように扱われているのか、わかるようにする取り組みも効果的です。評価基準の透明性を上げることは、「どうすれば出世できるのか」を明確にすることにも繋がり、メンバーのモチベーションアップにも役立ちます。 - ピアラーニング・ピアボーナスを取り入れる
ピアラーニングとは、メンバーが互いに協力し合い、学び合う学習法を指します。ピアボーナスは、メンバー同士が互いの仕事を認め合い賞賛し合いながら、具体的な報酬を贈り合う仕組みです。 - 1on1や雑談で信頼関係を築く
1対1で行う面談。周囲の目のない落ち着い歌場所で本音で話すことは信頼関係の構築に役立ちます。それが難しい場合は、施極的な雑談を取り入れることでカバーします。 - 安心感から無責任にならないような組織づくりが重要 心理的安全性の高い職場は、メンバー同士の仲が良いだけの職場ではありません。役割や関係性がはっきりした組織編成と、明確なビジョンで安心感と責任感を両立させましょう。