F&Aレポート

F&Aレポート 2021年10月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

「Z世代」を知る1 〜ジェネレーションギャップを超える

 最近よく耳にする「Z世代」という言葉。日本では1990年後半から2012年に生まれた世代を指します。今の年齢だと9?21歳ぐらいです。デジタルネイティブで、SNSネイティブ、スマホネイティブであるという特徴があります。語源は米国の世代の呼び方に由来しているといわれており、他にも「ミレニアル世代」「Y世代」「α世代」などがあります。

 これは単に世代のくくりではなく、考え方や価値観のまったく異なる世代の人たちを受け入れ、理解すること。さらに組織において重要なのは、どのように指導し、いかに協働して成果を出していくかということです。ジェネレーションギャップを越えて信頼関係を築くことは、リーダーの価値でもあります。そうは言っても、かつて「新人類世代」と言われた今のリーダー層も「一風変わった若者=新人類」だったわけです。「Z世代」が消費の中核を担う時代ももうすぐやってきます。まずは、歩み寄るための理解と努力から始めてみませんか?(https://mtame.jp/marketing_foundation/Generation_Z/ 参考)

1、各世代の語源、定義について

  1. 「ミレニアル世代」:ミレニアム(新千年紀)に由来。1983年ごろから1995年までに生まれ、2000年以降に成人を迎えた世代を指します。日本以外に、米国や英語圏の国々で共通している世代区分です。
  2. 「Y世代」:1981年頃から1990年台後半頃までに生まれた世代を指します。つまり、Y世代はミレ二アル世代と重なっています。「Y世代」も日本以外に、米国や英語圏の国々で共通している世代区分です。
  3. 「Z世代」:Y世代、X世代に由来しており、おおもととなるX世代の由来は、カナダ人作家ダグラス・クープランド著「ジェネレーションX」から取られています。Z世代は1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代です。
  4. 「α世代」:α世代は、Z世代の次に当たる世代で、アルファベットの最後である「Z」のあとがないため、ギリシャ文字の最初に当たるαが採用されたといわれています。α世代は、2013年頃から2020年代中盤までに生まれるとされる世代です。これも日本以外に、米国や英語圏の国々で共通している世代区分です。
    *これらの世代すべてに共通するのが、学生時代からデジタル機器やインターネットに触れてきた「デジタルネイティブ」であるという点です。
2、Z世代の特徴

 先にも述べた通り、デジタルネイティブであるということ。生まれた時にはもうインターネットやデジタル機器が身近にあったということ。生活の中でデジタルを活用することが当たり前の「真のデジタルネイティブ世代」といわれています。

<スマホネイティブ>
ガラケーを使ったことがない世代です。スマホ1台で、情報収集、ショッピング、読書、勉強、ゲーム、ネットバンキングから就職活動までなんでもできてしまうため、それ以外のテレビや本、雑誌といったメディア離れが進んでいるともいわれます。

<SNSネイティブ>
スマホと一緒に広がったのがSNSです。Z世代は、学生時代にはSNSが一般的だったという「SNSネイティブ」でもあります。個人、企業、芸能人などのさまざまな炎上事例を目にしてきており、その分、プライバシーには慎重。その一方口コミなどのフィードバックを積極的に行う面もあり。タレントなどよりもインフルエンサーの影響力が強く、SNS広告にも寛容ですが、広告スキップを選択できることも重視。

<ダイバーシティとインクルージョンを重視>
ダイバーシティは多様性、インクルージョンはインクルーシブ社会(社会を構成する人たちには性別や人種、ライフなどさまざまな背景があり、誰も排除されるべきではないという考え方に基づく社会)と訳されます。SNSいじめやSNS上の論争を目の当たりにしてきたことから、Z世代はこれらの考え方を重視している。

<新しいテクノロジーと消費の仕方>
Z世代は、VRを始めとする新しいテクノロジーに関心が強い傾向もあり。これはZ世代というより若い世代の特徴かもしれません。また、Z世代の中には、2007年?2010年の世界金融危機を見て育った層が含まれます。そのため、あまり消費をしないという見方もありますが、ブランド品や高価なものを志向しないだけで、クーポンなどをうまく利用しながらマイペースに購買しています。CMや雑誌で取り上げられている商品よりも自分がフォローしているインフルエンサーに影響を受ける傾向があります。モノよりも体験に消費する傾向もあり。

<Z世代の働き方>
キャリアに対して保守的で、働き方も「安定志向」であるといわれます。仕事を通して社会課題の解決に貢献することを望む人も多い。安定を望む一方で、「価値」を感じない職場への見切りも早く、新卒で入社して3年以内に転職する人も珍しくない。(次回以降につづく)