F&Aレポート

F&Aレポート 2021年9月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

ユニークな福利厚生制度事例 2

 前回からご紹介する「ユニークな福利厚生制度」には、次の通りいくつかの共通点があります。

  1. ネーミングが面白い・・・制度そのものに愛着がわき、取得することに後ろめたさがない
  2. かゆいところに手が届いている・・・具体的でありながら、ある程度の自由度があり、実用的
  3. 個人にも組織にも良い・・・制度で得たリフレッッシュを組織で活かす
 労働人口が減少する中で、離職率の低下、産後の職場復帰、効果的なリクルートなどの「安定的な人材確保」は、どこの企業でも重要課題になっています。他社の考え方や取り組み方などを参考に、自社の福利厚生を見直してみるのも良いかと思います。前回に続いてご紹介します。(参考:ボーグルhttps://bowgl.com)

★従業員の心を掴むユニークな福利厚生制度のポイント★
  1. 手当の拡充
  2. 家族支援
  3. 子育ての支援
  4. 女性の活躍
  5. 働き方改善
  6. 有給取得
  7. キャリア支援
  8. 社内コミュニケーション
女性の活躍を支援

女性を応援する「macalon(マカロン)パッケージ」

 インターネット広告事業を展開する株式会社サイバーエージェントは、女性社員比率が32%。女性従業員のワークライフバランスを充実させることを目的に2014年「macalon(マカロン)パッケージ」が導入されました。

  1. エフ休(月1回まで)
    女性特有の体調不良の時に取得できる特別休暇。エフは「Female」のFの意。利用用途をわからなくして、休暇取得のハードルを下げています。
  2. 妊活休暇(月1回まで)
    不妊治療中の女性社員が、治療や通院などを目的に取得できる休暇。「エフ休」の名で申請することができ休暇取得の理由を伏せることができます。その他、子供の看護時に在宅勤務ができる「キッズ在宅」や、子供の学校行事の時の「キッズデイ休暇」がある。
 <ここがユニーク!>
 すでに子供がいる人だけでなく、これから出産・育児を考えている女性も視野に入れている。「ママ(mama)がサイバーエージェント(ca)で長く(long)働く」という意味の「macalon」のネーミングも、可愛らしくてユニーク。

その他「昼寝」から「副業OK」「時短」「30日休暇」まで

  1. 「パワーナップ」
    従業員が眠いと感じたタイミングで15?30分程度の仮眠がとれる制度。午後の時間ならいつでもとれる。
  2. 「パラレルワーク」
    従業員に本業以外の事業に関わることを推進した副業歓迎の新しい制度。「収入の複線化」ではなく、主体的に関与する事業を複数持つ「掛け持ち体制」を指す。 * ただ野放しにするのではなく、数ヶ月に一度の報告会で事業内容や収入をオープンにすることで本業をおろそかにしない風通しの良い風土を守っている。
  3. 「ろくじろう」
    大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイが、2012年5月より「1日6時間労働」を可能にした独自の制度。短時間でも生産性を落とさず集中して取り組み、効率を上げることが期待されている。
  4. 「30日休暇制度」
    11ヶ月働けば1ヶ月休むことができる休暇制度。2012年にスタートし、旅行、語学留学、習い事、他企業でのインターンなど用途は問わない。週休2日では限られてしまう休暇を思い切って30日まで伸ばすことで、普段の業務から離れて人生設計を深く考える機会を与えています。「より多くの経験(インプット)をして、よりよいデザイン(アウトプット)をする」ことが、充実した人生に繋がるというコンセプトがクリエイティビティを求められる企業ならではの発想。(ウェブ、アプリ等制作 ワヴデザイン株式会社)