F&Aレポート

F&Aレポート 2020年12月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

アップアップ読解力12「副詞のセット」と「慣用表現」

 話のうまい人の共通点に「副詞」の使い方がうまいという特徴があります。

 副詞は「飾りのことば」です。述語となる単語を修飾します。たとえば、「私は、そのように思わない」という文章に「まったく」という副詞を入れると、「私は、まったくそのように思わない」という風に、どれほど「思わない」のかを強調することができます。

 慣用表現は、日本人の叡智が詰まっています。また、うまく使えば文章に説得力を持たせる効果があります。自分の伝えたいことを表現するときには、文章自体が引き締まります。ただ慣用表現を使いすぎると陳腐になるのでバランスが必要ですが。

 SNS等で誰もが自由に情報発信できる時代。よりよく伝えるために整理してみましょう。

●副詞:次の文の(    )に入る言葉を、傍線部の言葉との結びつきを考えて、あとの選択肢から選んで記号で答えましょう。

  1. たとえ失敗し(    )必ずやりぬく。
  2. ぜひ今度は成功し(    )。
  3. 私は少しもこのテレビをみたいとは思わ(    )。
  4. (    )帰らないでほしい。
  5. (    )何が起ころうとも、決して驚かない。
  6. この風では(    )船は出せない。
  7. この容器は(    )金属でできているみたいだ。
  アまるで  イたい  ウたとえ  エどうか  オても カない キとても



<答え:1オ 2イ 3カ 4エ 5ウ 6キ 7ア>

解説:1「たとえ?ても・でも」で逆説の仮定条件を表します/2「ぜひ?たい・ください」で、強い願望を表します/3「少しも?ない」で、全面否定を表します/4「どうか?ほしい・ください」で依頼の際に使います/5「たとえ?とも」で、逆説の仮定条件/6「とても?ない」で、強い否定/7「まるで〜みたい・ようだ」で、比喩

●慣用句:次の文の(    )に入る言葉を、あとの選択肢から選んで記号で答えましょう。ただし同じ言葉を二回使うことはできません。

  1. (    )考えた方がよい。
  2. (    )仕事に打ち込む。
  3. (    )無理な話だ。
  4. (    )寒くなった。
  5. (    )手につかない。
  6. 君のいうことは(    )わからない。
  7. 自慢話を(    )聞かせる。
  8. 準備不足で(    )失敗をした。
  9. 雨が降り出して(    )天気だ。
  10. 食事がすんだ(    )外へ飛び出した。
アもっぱら  イさっぱり  ウもっと  エどだい  オにわかに  カとたんに  キとくとくと  クあいにくな  ケてんで  コとんだ



<答え:1ウ 2ア 3エ 4オ 5ケ 6イ 7キ 8コ 9ク 10カ>

解説:1「した方が良い」があるので「もっと」/2「もっぱら→打ち込む」というつながり/3「どだい→無理」というつながり/4「にわかに→寒くなる」というつながり/5「てんで」と「手につかない」は一緒に用いる/6「さっぱり→わからない」というつながり/7「自慢話」とあるので「とくとく」/8「とんだ→失敗」というつながり/ 9「あいにくな→天気」というつながり/10「〜したとたん」という使い方
(参考 ビジネスマンのための国語力トレーニング 出口汪著