F&Aレポート

F&Aレポート 2020年11月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

アップアップ読解力11 「認知語彙」と「使用語彙」

 伝え方を工夫するために「語彙を増やしたい」と思っている人は少なくありません。 相手や状況に合わせて言葉を選んで、わかりやすく伝えるためには「語彙」が豊富であることが望ましく、また語彙が豊富だと知的な印象にもなります。 「語彙」とは「単語」「言葉」。知っている「単語」や「言葉」が多いほど、より豊かな表現ができるのですが、「知っている」だけでは「語彙力」にはならないのです。

1、「認知語彙」は「使用語彙」の3〜5倍ある

 ここで抑えておきたいのは、語彙には次の2種類あるということです。
「認知語彙」文章で見た時に何となく意味がわかるという程度の言葉
「使用語彙」自分の発言や文章で使いこなすことができる言葉

 通常、人の頭の中には、「使用語彙」の3〜5倍の「認知語彙」があると言われています。

 私たちの頭の中には、「読むことができるし聞いたこともある、なんとなく意味がわかるだけの言葉」がたくさんあるということです。

 逆に言うと「知っているけど使えない言葉が多くあり、実際に使っている言葉は限られている」ということになります。

2、「語彙を増やす」には

 「使用語彙」を増やすためには「アウトプット」が効果的です。また、「認知語彙」と「使用語彙」をバランスよく増やしていくことも重要です。

 たとえば、本や新聞を読んで新しい言葉に出会ったら調べる、メモをするなどして記憶と記録に残す。スマホがあれば、それらは簡単にできます。また、その言葉を誰かに伝える、文章で使うなどして、「あえてアウトプット」してみることです。

 いずれにしても、しっかり言葉の意味を捕まえるということが大切なので、「語彙力」は一朝一夕に身につくものではなく、習慣によって身につくものです。

<問い>
ことわざは、昔から言い伝えられた教訓や風刺を短い言葉で表したものです。
挨拶やスピーチで使用すると語呂もよく、効果的に伝えることができます。上段と下段を結んでその意味を述べてみましょう。

(1)渡り(2)梅(3)月夜(4)柳(5)青菜(6)のれん(7)寝耳(8)畑

(イ)風(ロ)提灯(ハ)鶯(ニ)腕押し(ホ)舟(ヘ)水(ト)塩(チ)蛤



<回答>
(1) 渡りに舟    偶然に都合のいいことが起こること
(2) 梅に鶯     絵になる。取り合わせが良いこと
(3) 月夜に提灯   明るい月夜で提灯は無意味。無用なこと
(4) 柳に風     相手に逆らわず、うまく受け流すこと
(5) 青菜に塩    元気がなくなってしおれること
(6) のれんに腕押し のれんを押しても手応えがない。
         こっちが積極的に働きかけているのに反応がないこと
(7) 寝耳に水    寝ているときに耳に水を入れられれば仰天する、
         突然の出来事に驚くこと
(8) 畑に蛤     畑を掘っても蛤は出てこない。見当違いなことをいう