F&Aレポート
アップアップ読解力11 「認知語彙」と「使用語彙」
伝え方を工夫するために「語彙を増やしたい」と思っている人は少なくありません。
相手や状況に合わせて言葉を選んで、わかりやすく伝えるためには「語彙」が豊富であることが望ましく、また語彙が豊富だと知的な印象にもなります。
「語彙」とは「単語」「言葉」。知っている「単語」や「言葉」が多いほど、より豊かな表現ができるのですが、「知っている」だけでは「語彙力」にはならないのです。
1、「認知語彙」は「使用語彙」の3〜5倍ある
ここで抑えておきたいのは、語彙には次の2種類あるということです。
「認知語彙」文章で見た時に何となく意味がわかるという程度の言葉
「使用語彙」自分の発言や文章で使いこなすことができる言葉
通常、人の頭の中には、「使用語彙」の3〜5倍の「認知語彙」があると言われています。
私たちの頭の中には、「読むことができるし聞いたこともある、なんとなく意味がわかるだけの言葉」がたくさんあるということです。
逆に言うと「知っているけど使えない言葉が多くあり、実際に使っている言葉は限られている」ということになります。
2、「語彙を増やす」には
「使用語彙」を増やすためには「アウトプット」が効果的です。また、「認知語彙」と「使用語彙」をバランスよく増やしていくことも重要です。
たとえば、本や新聞を読んで新しい言葉に出会ったら調べる、メモをするなどして記憶と記録に残す。スマホがあれば、それらは簡単にできます。また、その言葉を誰かに伝える、文章で使うなどして、「あえてアウトプット」してみることです。
いずれにしても、しっかり言葉の意味を捕まえるということが大切なので、「語彙力」は一朝一夕に身につくものではなく、習慣によって身につくものです。
<問い>
ことわざは、昔から言い伝えられた教訓や風刺を短い言葉で表したものです。
挨拶やスピーチで使用すると語呂もよく、効果的に伝えることができます。上段と下段を結んでその意味を述べてみましょう。
(イ)風(ロ)提灯(ハ)鶯(ニ)腕押し(ホ)舟(ヘ)水(ト)塩(チ)蛤
<回答>
(1) 渡りに舟 偶然に都合のいいことが起こること
(2) 梅に鶯 絵になる。取り合わせが良いこと
(3) 月夜に提灯 明るい月夜で提灯は無意味。無用なこと
(4) 柳に風 相手に逆らわず、うまく受け流すこと
(5) 青菜に塩 元気がなくなってしおれること
(6) のれんに腕押し のれんを押しても手応えがない。
こっちが積極的に働きかけているのに反応がないこと
(7) 寝耳に水 寝ているときに耳に水を入れられれば仰天する、
突然の出来事に驚くこと
(8) 畑に蛤 畑を掘っても蛤は出てこない。見当違いなことをいう