F&Aレポート
F&Aレポート 2020年9月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
アップアップ読解力9 日常会話に活かす
読解力は、日常の会話にも力を発揮します。読解力があるということは他者の考えを読み取り、理解する力があるということです。
会話がトンチンカンでうっかりしている人、話を聞いていない人、理解力のない人などと思われていた人も読解力をつけることで十分に挽回できると思われます。
もっと意識的に読解力を会話に活かしてみてはどうでしょう。もちろん、会話は論理的に構成されていないので、書かれた文章のようにはいきません。文章の場合は文中で説明されることが、会話では状況の中にあります。それゆえ、会話では文章の読解よりもずっと複雑な要素を持ちます。会話を円滑にするためにも読解力は役立ちます。(「頭がいいの正体は読解力」 樋口裕一著 幻冬社新書)
1、何に反対しているかを考える
文章では、何に反対しているかはほとんどの場合、文面に表れます。知識不足でそれを読み取れないことがない限り、ほぼわかるはずです。しかし、会話の場合にはそうはいきません。互いにわかりきっているから、それを口に出さないことがあります。口に出してしまうと支障があるため、あえてぼかしていることもあります。
<練習>
以下のような発言があったとする。発言した人は、何に対して反対しているのでしょうか。このような発言に対してあなたが同意もしくは、反対するとすれば、どのようなことを語るべきでしょうか。
- 「音楽を聴きながら勉強すると、気持ちよく勉強できる」
- 「口で言い聞かせるだけでは、子どもは何が悪いか理解できない」
- 「英会話の勉強のためには、英語の本をたくさん読むべきだ」
(1)「音楽を聴きながら勉強するべきではない。それだと、勉強内容が頭に入らない」という意見に反対している。
もとの意見に同意:「私は同意します。音楽を聴いていると気分が乗ってむしろ勉強が捗ることがあります」など。
反対するのなら:「私は賛成できません。音楽を聴きながらだと、勉強がおろそかになります。特に頭を使って考えるような勉強は、音楽がかかっているとできません」など。
(2)「体罰をしてはならない。子どもが悪いことをしても、口で言い聞かせるべきだ」という意見に反対している。
もとの意見に同意:「私は賛成です。口で言い聞かせるだけでは、子どもはわかりません。体で覚えさせてこそ、危険なことをしなくなります」など。
反対するのなら:「私は賛成できません。体罰をしても、恐怖を植え付けるだけで、なぜそれが悪いのか理解することができません。言葉できちんとわからせるべきです」など。
(3)「英会話の勉強のためには、話したり聞いたり、度胸をつけたりする練習を中心にするべきだ」という意見に反対している。
もとの意見に同意:「私も賛成です。会話の練習だけしても、浅いことを間違いだらけの英語で話せるようになるだけです。英語の本を読んでこそ、文法で内容のあることを話せるようになります」など。
反対するのなら:「私は賛成できません。英会話のために本を読んでも聞き取りができるようにはなりませんし、相手の話に対してすぐに口頭で返せるようになりません。度胸をつけてどんどん話す練習をするべきです」など。
話題・キーワードを考えることが重要。会話は人や状況により目まぐるしく変化します!