F&Aレポート
F&Aレポート 2020年8月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
アップアップ読解力8 求められるのは意味を理解する人材
AIに代替されない人材とはどのような能力を持った人なのでしょう。それは「意味を理解する能力」です。AIは意味を理解しないからです。「1、3、5、7の平均はいくつか」と問われると、日本では大学進学希望の高校生のほぼ100%が(1+3+5+7)÷4=4と正しく答えることができます。国民の半分以上が平均の公式を運用できる国は、日本とシンガポールくらいしかないかもしれません。では、その平均の意味はわかっているでしょうか。意味がわかるとはどういうことなのか「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著 東洋経済新報社)から出題します。
ある中学校の3年生の生徒100人の身長を図り、その平均を計算すると163.5cmになりました。
この結果から確実に正しいと言えるのは、次のうちどれでしょう。
(1) 身長が163.5cmよりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50人ずついる
(2) 100人の生徒全員の身長をたすと、163.5cm×100人=16350cmになる
(3) 身長を10cmごとに「130cm以上で140cm未満の生徒」「140cm以上で150cm未満の生徒」というように区分けすると、「160c以上で170cm未満の生徒」が最も多い
この結果から確実に正しいと言えるのは、次のうちどれでしょう。
(1) 身長が163.5cmよりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50人ずついる
(2) 100人の生徒全員の身長をたすと、163.5cm×100人=16350cmになる
(3) 身長を10cmごとに「130cm以上で140cm未満の生徒」「140cm以上で150cm未満の生徒」というように区分けすると、「160c以上で170cm未満の生徒」が最も多い
正解は「(2)だけ」です。(1)は中央値の、(3)は最頻値の性質です。けれども大学生の4人に1人は正しく答えられませんでした。公式は知っている。でも意味はわかっていないのです。
次の報告から確実に正しいと言えることには◯を、そうでないものには×を記入してください。
公園に子供たちが集まっています。男の子も女の子もいます。よく観察すると、帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1) 男の子はみんな防止をかぶっている
(2) 帽子をかぶっている女の子はいない
(3) 帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは、一人もいない
公園に子供たちが集まっています。男の子も女の子もいます。よく観察すると、帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1) 男の子はみんな防止をかぶっている
(2) 帽子をかぶっている女の子はいない
(3) 帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは、一人もいない
正しいのは(1)のみです。問題文中の「帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です」という文から、「男の子は帽子をかぶっている」ことがわかります。ですから(1)は正しいです。しかし「女の子は誰も帽子をかぶっていない」とは言っていません。つまり、確実に正しいとは言えないのです。だから(2)は×です。さらに「スニーカーを履いている男の子は一人もいません」という文を見ても、「帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている女の子はいる」可能性を否定できませんから(3)の答えも×です。
次の文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢から選びなさい。
1 天の川銀河の中心には、太陽の400万倍程度の質量をもつブラックホールがある
→天の川銀河の中心にあるのは( )である
(1)天の川 (2)銀河 (3)ブラックホール (4)太陽
2 火星には、生命が存在する可能性がある。かつて大量の水があった証拠が見つかっており、現在も地下には水がある可能性がある
→かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは( )である
(1)火星 (2)可能性 (3)地下 (4)生命
1 天の川銀河の中心には、太陽の400万倍程度の質量をもつブラックホールがある
→天の川銀河の中心にあるのは( )である
(1)天の川 (2)銀河 (3)ブラックホール (4)太陽
2 火星には、生命が存在する可能性がある。かつて大量の水があった証拠が見つかっており、現在も地下には水がある可能性がある
→かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは( )である
(1)火星 (2)可能性 (3)地下 (4)生命
1<正解(3)ブラックホール>
2<正解(1)火星>