F&Aレポート

F&Aレポート 2020年3月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

テレワークのデメリット

 そもそもテレワークとはなに?一般社団法人日本テレワーク協会によると、テレワークとは次の通り定義されています。  『テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。さらにテレワークは、働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます』  このテレワークが注目される背景には、働き方改革の推進、女性の活躍、ICT環境の整備などの要因があるといわれていますが、今回はあえて、テレワークのデメリットを挙げてみたいと思います。  ちなみに、総務省の調査(令和元年5月)によると企業におけるテレワークの導入状況は19.1%、約5社に1社がなんらかの形でテレワークを導入しています。新型コロナウィルスによる昨今の状況を考えると、この数値がさらに高まることは必至でしょう。 (参考 テレワークナビ https://www.nice2meet.us/telework-demerit-donyu-point) テレワーク導入の主なデメリット

  1. 情報漏洩のリスクが高まる
  2. 上司の目が無いためサボってしまう
  3. 部下のマネジメントがしにくくなる
  4. チームワークが悪くなる
  5. コミュニケーションが減る
  6. 従業員間、部門間で不公平感がでる
  7. 本拠地側の社員に負担がかかる
テレワーク導入の主なメリット
  1. 交通費、出張費などの経費削減
  2. 企業イメージの向上
  3. 災害時のリスクを分散
  4. 離職率の低下
◆導入デメリット「1 情報漏洩のリスクが高まる」

 「情報漏洩のリスク」については、テレワーク最大のデメリットと言われています。総務省は「テレワークセキュリティガイドン」を設け、ルール・人・技術のバランスがとれた対策を施すべきだと解説しており、テレワークにおける情報セキュリティ対策のポイントを紹介し、啓蒙活動を開始しています。

◆導入デメリット「2 上司の目が無いためサボってしまう」

 中小企業の実態調査によると、テレワーク導入の上で難しかったことの上位に「テレワーク社員の時間管理」が挙がっており、多くの企業がこの問題に苦労している様子が伺えます。サボり防止対策として、パソコンへのログイン状況や仕事内容を遠隔で管理できるツールの導入などがあります。

◆導入デメリット「3 部下のマネジメントがしにくくなる」

 ピーター・ドラッカーは著書「マネジメント 基本と原則」で、マネジメントに必要なスキルを5つ挙げています。
  • 目標設定力
  • 組織化力
  • コミュニケーション力
  • 評価測定力
  • 問題解決力
 これらのスキルは会社や組織の一体感を基に発揮されることが多く、上司から見ると「目に見えない場所」で仕事をしているテレワーカーは一体感をもたせることに苦労します。対策のひとつとして、リアルタイムに双方向のコミュニケーションができれば、「目に見えない場所」が「一緒のオフィス」環境に変化します。これはビデオ会議システムや、チャットツールの導入などで解決できるようです。また、シンプルに携帯電話やスマホでの音声通信、動画通信なども有効ではないでしょうか。

 その他の導入デメリットについての詳細は、引き続きご紹介させていただきます。周知のとおりテレワークが可能な職場、職種は限られますが、テレワークが見直されるこの世界的なムーブメントは今後も避けられない事象であることは間違いないでしょう。人、企業、社会のより豊かな発展のために一考の価値はありそうです。