F&Aレポート

F&Aレポート 2018年11月20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

「廊下を走らないでください」or「廊下はゆっくり歩きましょう」〜より効果的な言い方は「否定型か、肯定型か」

 突然ですが、問題です。

  1. 青いバラを想像しないでください
  2. 横断歩道を走って渡らないでください
 さて、あなたの脳裏に「青いバラ」は浮かびましたか?「横断歩道を走る姿」をイメージしましたか?

 私たちの脳は、否定語を理解できません。「青いバラを想像しないで」と言われると、まず青いバラを想像してから、それを打ち消します。「横断歩道を走って渡らないで」も同様に、走る姿を想像して打ち消します。(打ち消しても残像はあります)

 否定の言葉は、ダイレクトに脳には届かないという働きをもっています。そして、私たちの行動は、イメージしたものに引っ張られる(影響を受ける)のです。 「横断歩道を走って渡らないで」と言われると、ますます走ってしまいやすくなるのです。

 こんな実験があります。子どもたちを集めて2グループに分けます。Aグループには「水をこぼさないで運んでね」と言い、もう一方のBグループには「水をゆっくり運んでね」と言いました。果たして、Aグループは50%、Bグループは20%の子どもたちが、水をこぼしてしまったという結果になりました。

 指示、命令、依頼をする際に、否定語を肯定語に置き換えるだけで効果が上がることもあります。部下指導や子どもの教育に試してみる価値はありそうですよ。