F&Aレポート
F&Aレポート 2018年9月20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
課題解決1〜現状分析「ママを助けて!」
新時代のアタマのいい人とは、記憶力がいいことではなく、前人未到の問題、想定外の課題に対して解決していく力を持った人だそうです。正解のある問題ではなく、正解が複数あるもの。あるいは、そもそも正解がない問題に対してどう「解」を出していくかが問われるのです。そんな中で面白いトレーニングを見つけましたのでご紹介します。
(参考図書:問題解決トレーニング 西村克己著 イースト・プレス)
■ 「ママを助けて!」
大野さんは、中学生の娘を先頭に3人の子どもを持つ主婦です。残業の多い夫と子ども達の世話で、毎日目が回るほど忙しい思いをしています。ある日ついに大野さんは過労から体調を崩してしまいました。心配した子ども達は、対策を考えることにしました。
「お母さん、なんでそんなに忙しいの?」
「なんで忙しいかって?あらためて聞かれてもわからないわよ。えーっと昨日は朝、お弁当と朝ごはんつくって掃除して、そのあと洗濯したけど、洗濯物の量が多くていつもより時間かかったし、、、買い物も、駅前だけじゃなくて遠くのお店まで行く事もあるし。そうそう、エアコンの具合が悪くて、修理の人を呼んでみてもらったから、晩ごはんの支度が遅れたのよね。塾の授業料も納めにいったし、、、全部必要なことでしょう?」
家族は、とにかくお母さんが忙しいことはわかりましたが、何がどう忙しいのか、どうしたら少しでも仕事を減らすことができるのかわかりません。
このお母さんから問題点を整理して引き出すにはどうすればのでしょうか?
(1) 毎日の仕事の記録をつけてもらう。炊事に何分、洗濯に何分というように。あとで集計してみる。
(2) まずお母さんに、大変と感じている仕事を書き出してもらう。
(3) お母さんの話し方がとりとめないから、状況を整理して話をするようにしないと、問題点は整理できない。
<答 (2)>
(1)も手間がかかるが、やりかたによっては有効。
■ ダラリの法則で問題点を見つける「お母さん、なんでそんなに忙しいの?」
「なんで忙しいかって?あらためて聞かれてもわからないわよ。えーっと昨日は朝、お弁当と朝ごはんつくって掃除して、そのあと洗濯したけど、洗濯物の量が多くていつもより時間かかったし、、、買い物も、駅前だけじゃなくて遠くのお店まで行く事もあるし。そうそう、エアコンの具合が悪くて、修理の人を呼んでみてもらったから、晩ごはんの支度が遅れたのよね。塾の授業料も納めにいったし、、、全部必要なことでしょう?」
家族は、とにかくお母さんが忙しいことはわかりましたが、何がどう忙しいのか、どうしたら少しでも仕事を減らすことができるのかわかりません。
このお母さんから問題点を整理して引き出すにはどうすればのでしょうか?
(1) 毎日の仕事の記録をつけてもらう。炊事に何分、洗濯に何分というように。あとで集計してみる。
(2) まずお母さんに、大変と感じている仕事を書き出してもらう。
(3) お母さんの話し方がとりとめないから、状況を整理して話をするようにしないと、問題点は整理できない。
<答 (2)>
(1)も手間がかかるが、やりかたによっては有効。
1、渦中にいる人は、問題点が見えにくい
ムダな仕事は何かは、渦中にいる本人には見えにくいことがあります。家庭の中だけでなく、物流や生産、情報システムなどさまざまなところにムダが潜んでいます。ワークフロー(仕事の流れ)の中に省力化できるところを見出すいい方法があります。
問題を漠然としか感じていない人に、いきなり「問題点をあげろ」と言ってもわからず、気づいたことを並べるだけになってしまいます。
まずいくつか切り口を設けて、問題点を洗い出していくといいでしょう。切り口にはいくつかありますが、よく使われるのは「ダラリの法則」です。
「ダラリの法則」とは「ムダ、ムラ、ムリ」の3つをさす言葉です。非効率な仕事はだいたいこの「ムダ、ムラ、ムリ」のどれかにあてはまります。
「ダラリの法則」は、もともとインダストリアル・エンジニアリングの専門分野で、業務改善、作業の効率化を進める際に使われていた言葉ですが、通常の業務や自分の身の回りの仕事を省力化するときに役に立つものです。
2、ムダとは
歩くムダ、運ぶムダ、やり直しの手間、調整の手間、待つ時間、探す手間、過度の複雑さなどには「ムダ」が潜んでいます。
たとえば、冷蔵庫の中に賞味期限切れの食品があります。これは在庫のムダ、お金のムダ、エネルギー(冷蔵庫の熱効率)のムダということになります。
仕事において、似たような資料を何度も作り直したりしていないでしょうか。同じ資料でこと足りるのであれば、フォーマットや体裁を変えただけのような類似書類を作るムダはなるべく省きたいものです。
3、ムラとは
「仕事のやり方(仕事の標準化ができていない)」
「忙しさのムラ(特定の人や職場に仕事が集中)」
「気分のムラ(上司の気分で判断基準が変わる)」
「成果のムラ(仕事の仕上がり品質にムラがある)」
などがよくみられる「ムラ」です。この家族のケースではお母さんに集中しています。
またよくあることですが、仕事の進め方が人によって違うということがあります。
「その人のやりやすい進め方で」というと聞こえはいいのですが、これは、その人がいないと進め方がわからない、その人でないとダメということになりがちです。
仕事の進め方を標準化しておかないと、いざメンバーが交代しようとしたときに仕事が進まなくなる恐れがあります。
4、ムリとは
力のいる仕事、不自然な姿勢、注意力をずっと維持していないとできない仕事は、ムリな仕事です。高いところに重い鍋が収納してある、キッチンの高さが低くて中腰気味になるなど、体に負担のかかる仕事はムリがあります。
繰り返し発生する作業の場合には全体の効率を低くします。
仕事の上でムリな計画を立てたり、ムリな納期を設定したりしていないでしょうか。
そういうムリは、やがて残業続きの生活を招き、やがて体のムリとなってしまいます。