F&Aレポート

F&Aレポート 2018年5月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

話し方教室〜 自分の癖を客観的にみる『落ち穂拾い』

 スピーチをするときの手順といえば、普通は次の通りかと思います。

  1. 原稿を書いてみる
  2. 原稿に基づいて、声に出して練習をする
  3. 多少、修正などして本番に臨む
 この1から3をこなして本番が終われば、良くても悪くても「the end」。終わりです。緊張の本番が終われば、「やれやれ、早く忘れてしまいたい、、、」と、いうこともあるでしょう。しかし、スピーチを上達させたい人は、実はここからの作業が大事なのです。

 私の話し方教室では、本番終了後に、録音したスピーチを聞きながら、一字一句、「えー」「あのー」「でー」といったフィラーと呼ばれるノイズも、正確に文字に起こします。

 その後、主に次の点に注目しながら、文字に起こしたスピーチをチェックします。
1.「えー」「あのー」「でー」を、どこで何回使っているか

2.一文が長くなっていないか

 「ですので、、、」「ですが、、、」「ということなんですけれども、、、」というように、文章が無駄に長くなっているところはないか。

3.そもそも「主語」と「述語」が呼応しているのか

 「私は、電車に乗って不思議な光景をみたのですが、まぶしいぐらいの光が差し込んでいました」というような文章です。「私は」の主語に対して「差し込んでいました」という述語は合っていません。これは2つ以上の文章が一文になっているためです。

 「私は、電車に乗って不思議な光景をみました。そこには、まぶしいぐらいの光が差し込んでいました」であれば、問題はないでしょう。

 さらに、それらを改善するとどうなるか。赤ペンで直し、声に出して読んでみます。

 この作業を行うことで、自分の話し方の癖に気づき、誰でもよりすっきりとした、伝わりやすいスピーチができるようになるのです。

 録音した自分自身の声を聴くとことや、上手くいかなかったスピーチに向き合うのは苦痛を伴うこともあります。言うなれば「落ち穂拾い」「ゴミ拾い」のような作業ですが、自分のスピーチを客観的に見ることができます。そして、次のスピーチの成果が大きく変わるのです。

 実際に、Mさんのスピーチ原稿をご紹介します。Mさんは、フィラーが多く、「思います(思いました)」が比較的多いのが気になっていましたが、この「落ち穂拾い」をすることで、自分の癖に気づき、改善されるようになりました。
(えーと)今日は、あのー大リーグで活躍する大谷翔平選手のお話をしたいと思います。します。「(えーと、)彼がは活躍していて、メジャーで4月の最優秀新人に選ばれたのは、ご存知ですか。を知っていらっしゃいますかね。(えー)彼は、(あの)高校1年のときに夢を叶えるための目標達成シートというものを作ります。作りました。

 (えーと)彼は、(まあ)運をつけるために何を考えたかというと、(あのー)ゴミ拾い、部屋掃除、審判さんへの態度、プラス思考、道具を大切に使う、本を読む、応援される人になるということで、ちょっと面白いなあと思って取りあげました。を決めました。私は面白いなあと思いました。(えー)何をすべきかということを考えるときに何を目標にするかと考えるときに、目標を達成するために、何をすべきか具体的にするということが大切なんじゃないかなというふうに、あのー思いました。具体的な行動を決めることが大切なのだとあらためて気づかされました。(でー、)ビジネスの場でも目標だけじゃなくて、問題を解決するときとか、事業計画とか、商品開発を考えるときに具体的な要素を考える考えると、あのいいんじゃないかなと、問題解決、事業計画、商品開発などに応用できるんじゃないかなと思いました。考えました。