F&Aレポート
F&Aレポート 2018年4月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
日本語トレーニング(4)緩衝語(クッション用語)の使い分け 〜相手をイヤな気持ちにさせない!依頼の仕方、断り方
言うまでもなく仕事はチームで行うものです。どんなに優秀な人でも、一人でできることは限られています。職場の人と協力し合い、またお客様とコンセンサスをとりながらでないと仕事は上手く進みません。チームで最高のパフォーマンスをあげるためには、時に無理をお願いしたり、断ったりすることもあります。そんな時こそ、上手く伝えたいものです。言い方ひとつで印象はガラリと変わります。「上から目線」「放漫な態度」というような誤解を生まないためにも、「緩衝語」(クッション用語)をバリエーション豊かに使い分けてみましょう。
1、印象の違いを感じてみましょう
- 「こちらご記入ください」
→「お手数をおかけしますが、こちらにご記入ください」
→「恐れ入りますが、こちらにご記入ください」
→<緩衝語+疑問形>
「恐れ入りますが、こちらにご記入をいただけますでしょうか?」
※<緩衝語+疑問形>にすると、柔らかく伝わるだけでなく、相手はYESかNOかを選べる形になるので、押し付けている感じがなくなります。 - 「それは、いたしかねます」
→「あいにく、それは、いたしかねます」
→「申し訳ございませんが、それは、いたしかねます」
※ 「〜しかねる」という言い方は、肯定的否定と言い、「できない」というよりも柔らかく伝わります。
例)「お受けできません」→「お受けいたしかねます」
「ご希望に応じられません」→「ご希望に応じかねます」
「私ではお答えできません」→「私ではお答えしかねます」
恐れ入りますが、申し訳ございませんが、差し支えなければ、残念ながら、ご迷惑をおかけしますが、恐縮ですが、失礼ですが、お手数をおかけしますが、ご足労をおかけしますが、あいにく、ご面倒ですが、など
3、「すみませんが」ではダメなのか?
「すみませんが」という言葉自体、間違った言葉ではありません。ただ、便利な言葉なので、安易に使いすぎると単調な言い回しに聞こえます。それだけに、他の緩衝語に比べると軽い印象にもなりかねません。ビジネス用語として使うには要注意です。
4、「恐れ入りますが」の意味
そもそも「恐れ入る」の意味は、「恐れる」です。「あなたを恐れています」即ち、「あなたには敵いません」という相手を敬う表現です。自分を下げて、感謝の気持ちや、申し訳ないという気持ちを表現できる奥ゆかしい言葉です。
「恐縮です」になると、さらにあらたまった表現になります。口頭での会話や、メールやビジネス文書などの書き言葉で、臨機応変に使い分けてみましょう。