F&Aレポート

F&Aレポート 2017年4月20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

副交感神経時代 〜深い呼吸が成功の秘訣 免疫力を上げて集中力を高める

 私たちは日頃、無意識に呼吸をしていますが、呼吸は体と心に密接に関係していて、なおかつ体と心をつなぐ唯一のものです。さらに、私たちは心臓の動きや、神経物質の流れを直接コントロールすることはできませんが、呼吸はコントロールできます。

 即ち、呼吸をコントロールすることは、体と心を整えることにつながります。ストレスの多いこの時代に、意識的に副交感神経を優勢にさせることこそが、幸せに生き抜くカギになると言う専門家もいます。

1.呼吸筋を鍛えて、自律神経の調整をはかる
 心臓や肺の働きに異常はないのに、以前よりも呼吸が浅くなったと感じることはありませんか。無意識の呼吸は胸と腹の呼吸筋を使う胸腹式呼吸ですが、呼吸が浅くなっている人は胸の呼吸筋をより多く使っています。

 呼吸をするときは鼻や口から空気を吸い込み、肺に取り入れていますが、肺自体には膨らむ力はありません。肺は肋骨などに囲まれた胸郭の内部にあり、胸郭が動いて呼吸運動が起きます。胸郭を動かす筋肉を呼吸筋といいます。

 呼吸筋は20種類以上あって、吸う時には吸息筋を、吐く時には呼息筋に分けられます。たとえば、胸郭と腹部の境にある横隔膜や肩甲骨あたりの僧帽筋、肋骨を引き上げる

ろっかん筋は吸息筋。肋骨を引き下げる内助間筋や腹直筋、腹横筋、外腹斜筋などは呼息筋です。

2.横隔膜を動かすと自律神経に効く
 肺機能は加齢に伴い低下します。普段の呼吸で吐いたあとに肺に残る空気量(機能的残気量)が増えてくるのも加齢による変化のひとつです。  機能的残気量が増えると肺が膨らみすぎた状態になることで、呼吸が浅くなりやすく、この肺の老化を遅らせるには深い呼吸で呼吸筋の弾性を高めることが大切です。

 息をゆっくり長く吐く深い呼吸をすると、横隔膜と腹の呼吸筋を意識的に動かしますが横隔膜の周囲には自律神経が集中しています。自律神経には主に活動時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経があり、働き自体が落ちるか、バランスが乱れると様々な心身の不調につながります、自律神経は自分の意志とは無関係に働きますが、呼吸で意識的に調整できることがわかってきました。

3.呼吸法 吐く吸うは2:1
 鼻からゆっくりと息を吐き切り、鼻からゆっくり吸う鼻呼吸が基本です。吐気と吸気の長さは2対1の割合になるのを目標にしてみましょう。慣れないうちは仰向けに寝て口をすぼめて「フーッ」と声をもらしながら息を吐くと感覚がつかみやすくなります。

 まずは、気持ちいいと感じられる長さや回数から始めて習慣にしてみましょう。仕事で疲れた時や、緊張したときなど3分程度行うだけでも気持ちが落ち着いてきます。

 呼吸筋は老化や運動不足、悪い姿勢でも衰えます。衰えると呼吸が浅くなります。姿勢で特に注意したいのは、パソコンやスマホに向かうときの猫背です。背中が丸まった姿勢では横隔膜が常に上がった状態になり、うまく空気を吸い込めず十分な呼吸ができなくなります。猫背のときの浅い呼吸は、姿勢を正した深い呼吸に比べると、肺活量をもとに計算した肺年齢が10歳以上高くなる場合もあります。

 逆に、深い呼吸を習慣化すれば姿勢がよくなり、肺年齢を実年齢より若く維持することも可能。深い呼吸を鼻呼吸でできるようになると、免疫が活性化されて風邪をひきにくくなります。普段から肺や呼吸機能を高めておくことは、風邪から肺炎に重症化するのも予防します。いつでもどこでも呼吸は意識できます。忙しいときこそ、ゆっくりと深い呼吸をしてみましょう。(日本経済新聞 2016年12月3日)



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