F&Aレポート

F&Aレポート 2017年4月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

日本語トレーニング はなす・きく・よむ(4)

1.1分チャレンジ

  1. 「顧客」の本来の読み方は「こかく」で「こきゃく」は誤読である。○か×か?
  2. 「テキセイな価格」のテキセイの漢字は?<A適正 B適性 C適制>
  3. 「テレビCMで喧伝する」。企画書のこの書き方は?○か×か?
  4. 無駄な努力を「(   )で海を量る」というが、(   )は?<A蛤 B蜆 C鮑>
  5. 「委細構わず」の「委細」の意味は「事情」である。○か×か?
回答
  1. ○/芭蕉の「奥の細道」にある「過客」も「かかく」と読む
  2. A/「適性」は適性検査などに用いる
  3. ×/「喧伝」は「けんでん」と読み、「言いふらす」こと。「宣伝」とはちがう
  4. B/あんな小さな蜆(しじみ)の貝殻で海の水など量れるわけがない、というわけ
  5. ○/詳しい事情のこと。「委細構わず」は「事情がどうであれ」の意
2.誤読はどっち? 次の熟語A、B、どちらの読み方が正しいでしょうか?
  1. 「内容が重複<Aじゅうふく Bちょうふく>している」
  2. 「無駄に歩いたので、エネルギーを消耗<Aしょうもう Bしょうこう>」
  3. 「もっと直裁<Aちょくさい Bちょくせつ>に表現した方がいい」
  4. 「早急<Aそうきゅう Bさっきゅう>に対処しよう」
  5. 「君はやけに、あのことに固執<Aこしつ Bこしゅう>するね」
回答:間違い読みが正しいとされています
  1. B
  2. B
  3. B
  4. B
  5. B
「Aの読みの方が正しいのではないか」と思った人も多いと思います。それも当然です。ここにあげた熟語はどれもBの誤読が慣用読みとして通用し、「こう読んでもいい」と認められたものばかりです。
  1. 「重複」=ものごとが重なること
  2. 「消耗」=使われてなくなること
  3. 「直裁」=ずばりと言うこと
  4. 「早急」=非常に急ぐこと
  5. 「固執」=自分の意見やひとつのことにこだわること
 他に、誤読がまかり通っている例は、次のようなものがあります。
「攪拌」(かくはん→こうはん)/「矜持」(きんじ→きょうじ)/「口腔」(こうくう→こうこう)/数奇(さっき→すうき)/「洗滌」(せんじょう→せんでき)/「残滓」(ざんさい→ざんし)/「弛緩」(ちかん→しかん)/「憧憬」(どうけい→しょうけい)

3.同じ漢字?
  共通の読み方をする単語で始まる慣用句です。< >の漢字は同じでしょうか。
  1. <ま>が差す、<ま>が悪い
  2. <かた>にはまる、<かた>がつく
  3. <かど>がとれる、<かど>が立つ
回答
  1. <魔>が差す、<間>が悪い
  2. <型>にはまる、<片>がつく
  3. <角>がとれる、<角>が立つ