F&Aレポート
F&Aレポート 2016年6月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
正座の意味と、疲れない座り方
正座は江戸時代から
もともと武士は、あぐらや膝を立てて座っていたのが、江戸時代からは、正座が中心となったといわれています。そういえば、テレビの時代劇などでも、武士が殿様の前であぐらをかいている姿をよくみかけます。
正座が広まった理由はいろいろあるようですが、そのひとつは、正座をすることで、主人の威厳を保つことができ、服従心や敬意を示すことができるからだといわれています。
そのほか、庶民の生活にも畳が普及したことや、茶道が普及したことも影響しているようです。ここで、正座のポイントをみていきましょう。
- 体重は、後ろに落とさず、上体を浮かせるイメージで座ります
- 両足の親指は、3〜4p程度重なるようにします
- 両手は、指を揃えて丸みを持たせ、腿の上に自分から見てハの字になるように置きます
- 膝頭は、男性は握りこぶし一つ分程度あけ、女性はそろえます
- 顎が前に出ないように注意しましょう(顎が前にでると猫背になります)
- 視線は正面を見るようにします
足がしびれるのは、重心が後ろになっているために、自分の体重が足にかかってしまうからです(小笠原流礼法)
現代は洋室中心の生活となっているために、部屋の絵や置物などは目線が高い位置に取り付けられています。しかし、和室では、床の間にかける掛け軸や、室内の花、庭の景色など、すべて正座での目線が基本です。日本文化は、正座の目線の中で育まれてきたのです。最近は、和室のない家も増えていて、正座をする機会も少なくなりました。正座ができない子供達も珍しくないと聞きます。時には、日本文化の美意識の基本となる正座に親しんでみたいものです。