F&Aレポート

F&Aレポート 2015年12月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

あなたは日本語ペラペラですか 12

1、次の年賀状の間違いはどこでしょう

新年あけましておめでとうございます。
去年は、大変お世話になりました。
本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。
一月元旦
<解答>
1.「あけましておめでとう」の表現に「新年」の意味が含まれています。意味が重複するので、どちらかで一方で良い。
2.「去」という字は、「失う」「滅びる」などと並ぶ忌み言葉として、年賀状にはNGワードです。「昨年」「旧年」という言葉がふさわしい。
3.「元旦」は、「一月一日の朝」を意味します。「一月元旦」や「元旦の朝」と書くと意味が重複します。
4.新年の挨拶で区切りをつけないよう、年賀状には句読点をつけないのが通例です。これは、「慶びが続きますように(止まらないように)」という意味で、年賀状をはじめ結婚式招待状などの慶事の儀礼的な文章には句読点は使いません。
※ 「賀正」「賀春」などの賀詞と、「あけましておめでとうございます」「謹んで新年のお慶びを申し上げます」などの祝詞は、意味が反復するので一緒に使いません。

2、次のメールの間違いは、どこでしょう
(株)○○会社御中  ××様      
お世話様です。
弊社の担当者にお問い合わせいただきました件ですが、本日、担当者がお休みをいただいておりまして、すぐにご回答致しかねます。
お尋ねの件は、責任もって担当者にお伝え致します。
明日、ご連絡差し上げますので、お待ちくださいますようお願い申し上げます。
<解答> 1.宛先が団体の場合に使う「御中」は、「様」と並記しない。人名を書く場合は「○○株式会社 ××様」となります。
2.(株)は省略した表記なので失礼。株式会社とします。
3.「お世話様です」は、ふさわしくありません。感謝を表す言葉ですが、敬意は低いため、目上には失礼にあたります。「お世話になっております」が正しい。
4.社内の人間の休暇に対して、尊敬の「お」は要りません。またメールの相手から休暇をいただいているわけではないので、「休暇を取っております」「休んでおります」などが正しい。
5.「お伝えする」も同様です。「申し伝えます」が正しい。

3、不自然な日本語
1.喜びを「ひしひし」と感じています
2.アベノミクスで「濡れ手に粟」だ
3.「このたびの受賞、おめでとうございました」

<解答>
1.「ひしひし」は、自分の外側から押し寄せてくる事柄に使うのが一般的。喜びや幸福感など、自分の内側からわき上がる感情は「しみじみと」を使う。
2.水に濡れた手で粟を掴めば、粟粒が多くついてくることから、苦労をせずに利益を得ることの意。「濡れ手に粟がつく」のでなく、「濡れ手“で”粟を掴む」ため、本来は「濡れ手で粟」となる。
3.祝福の言葉を過去形にするのは、祝福の気持ちを表すのにふさわしくありません。