F&Aレポート
F&Aレポート 2015年11月20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
これはパワー・ハラスメント?パワハラの定義とケース事例から考える
1、気持ちのズレ 以下の相談内容について考えてみましょう
ある日あなたは、営業管理のAさんから、次のような相談を受けました。
(相談内容)
うちの営業所長は怒りっぽくて、すぐに大声で怒鳴ります。先日も、所長がB主任に対して、「Y主任!この見積書、以前の見積もり金額と変わっているけど、どういうことだ?」と質問されていました。Y主任は、「前回の打ち合わせで、仕様が少し変更になったので金額が変わっています。でも、以前あった別の製品と同じです」と答えました。すると、所長は大声で「ふざけるな!おまえだけが知っておけばいいという問題じゃないだろう。
そんなことで主任が務まるのか!」と、怒鳴りました。Y主任は、かなり落ち込んでいる様子でした。これって、パワハラですよね?この話を違う事業所の同期に話したら「所長は大声で怒鳴ったんだろう!それは、明らかにパワハラだよ」と言っていました。
2、気持ちのズレをなくすためには(相談内容)
うちの営業所長は怒りっぽくて、すぐに大声で怒鳴ります。先日も、所長がB主任に対して、「Y主任!この見積書、以前の見積もり金額と変わっているけど、どういうことだ?」と質問されていました。Y主任は、「前回の打ち合わせで、仕様が少し変更になったので金額が変わっています。でも、以前あった別の製品と同じです」と答えました。すると、所長は大声で「ふざけるな!おまえだけが知っておけばいいという問題じゃないだろう。
そんなことで主任が務まるのか!」と、怒鳴りました。Y主任は、かなり落ち込んでいる様子でした。これって、パワハラですよね?この話を違う事業所の同期に話したら「所長は大声で怒鳴ったんだろう!それは、明らかにパワハラだよ」と言っていました。
原因1<部下の問題>
今回のケースで、Y主任は報告という業務を怠っています。部下は上司の業務指示に対して報告義務があります。特にこのケースでは、「見積もり金額の変更」という仕事上、重要な場面であるにも関わらず、「以前と同じだから…」といった安易な考えで報告を怠りました。会社組織は、管理職と従業員に大別されます。管理職には、会社の方針に従って、成果に結びつけるために部下の業務を管理したり、若手の育成をしたりと、職場全体にマネジメントが求められています。一方、従業員は与えられた業務を遂行し、会社に貢献する義務があり、それを果たすことが求められます。
原因2<上司の問題>
「ふざけるな!」「おまえ」などの言い方では、伝わるものも伝わりません。管理者にとっての部下指導は、業務です。周囲へのパフォーマンスや上司自身の気性(短気、怒りっぽいなど)に左右されては困ります。自身の指導方法が“業務上の適正な範囲内”であるかじっくり考えてみる必要があります。
原因3<職場の風通しの悪さ>
パワハラにつながる原因には、上司と部下のコミュニケーション不足や、お互いの気持ち(考え)のズレがあります。今回のケース事例のように、Y主任の勝手な思い込みや推測で行動すると、仕事に支障がでます。仕事の基本は「ホウ・レン・ソウ」です。まずは自分で考え、それでも分からない場合は、上司や先輩社員に相談することが大切です。また、普段から職場で相談できる相手を探しておくことを心がけるようにするなども良いかと思います。★パワハラが発生している職場の特徴は、上司と部下のコミュニケーションが少ない職場が半数以上というデータもあります。
厚生労働省が定義する職場のハラスメントとは
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を越えて、精神的・身体的苦痛を与える。または、職場環境を悪化させる行為をいう」
3、ハラスメントのない職場「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を越えて、精神的・身体的苦痛を与える。または、職場環境を悪化させる行為をいう」
パワハラに限らず、すべてのハラスメントは、人間関係の調整能力が原因だと、専門家はいいます。上司側は【指導するスキル】を磨き、部下側は【指導者の思いを推し量る力】を付ける、互いが歩み寄ることが大切なのです。そうすることで、事業所内でパワハラ行為が解決でき、より働きやすい職場へと改善することができます。ハラスメントのない職場は、誰かが作るものではなく、私たち自身が作っていくものなのです。