F&Aレポート
あなたは日本語ペラペラですか8 〜日本語検定2級 敬語編
1.【 】のような場面で、それぞれの( )部分はどのような言い方をすれば良いでしょうか。※に示した条件にあう適切な言い方を解答欄に記入してください。
(1)【久々に訪れた上役の家を辞去する際に、バス停まで送ろうと言われて】
お気遣いありがとうございます。道は覚えておりますので、お見送りには( )ません。
※動詞を用いて「わざわざそうする必要がない」ということを表す
(2)【司会者が講師を紹介して】
本日の講演会には、テレビなどでもおなじみの教育評論家、○○先生が講師として( )ました。
※ 動詞「越す」を用い、敬語を使って「来てくれた」ということを表す
■解答(1)及び (2)お越しください
■解説(1)及び「及ぶ」は、「〜には及ばない/〜には及びません」の形で、「わざわざそうする必要がない」という意味を表す。相手の申し出などを丁寧に断る際に用いられることが多い。
(2)お越し下さい
来てくれたことを「お〜くださる」の形を用いて「お越しください(ました)/お越しくださり(ました)」というのが適切である。また、「お〜になる」の形を用いた「お越しになってください(ました)/お越しになってくださり(ました)」も許容される。
2.【 】のようなとき、どのように言うのが良いでしょうか。最も適切なものを選んで番号で答えてください。
(1)【社員間の会話で上役の住んでいるところが話題になって】
1)以前、課長にお住まいはどちらか伺ったら、川崎だとおっしゃっていたよ
2)以前、課長にどちらにお住まいか伺ったら、川崎だと申されていたよ
3)以前、課長に家がどこなのかお聞きしたら、川崎だと言っていたよ
(2)【課員の自分が、接待に使う店を課長に相談して】
1)先日ご紹介くださられた店に、T社の前田様をお連れいたしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
2)先日ご紹介いただきました店に、T社の前田様をお連れなさりたいと思うのですが、いかがでしょうか。
3)先日ご紹介くださった店に、T社の前田様をお連れしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
■解答 (1)1) (2)3)
■ 解説 (1)1)が適切な表現。前半は「お住まい」「どちら」と丁寧な言い方をしている1)2)は適切。3)は「家」「どこ」のどちらについても、課長に対する敬意を表す言葉が用いられていないので不適切。後半については、1)の「おっしゃって」は適切な尊敬語。2)は「申されて」が謙譲語「申す」に、尊敬の「れる」をつけていて不適切。3)の「言って」は、敬語を用いていない。
(2)3)が適切な表現。前半は、相手から恩恵を受けることを表す「ご〜いただく」「ご〜くださる」をそれぞれ用いた、2)と3)が適切。1)は尊敬表現の「ご〜くださる」に尊敬の「れる」を付けた過剰敬語で不適切。後半については、1)と3)は、それぞれ謙譲表現の「お〜いただく」「お〜する」を適切に用いている。2)は、自らの行為に尊敬表現の「お〜なさる」を用いており不適切。
<尊敬語のワンポイント整理>
●「尊敬語」は、相手を直接立てる表現。「謙譲語」は、へりくだることによって間接的に相手を立てる表現です。主語が、「私」側なのか、「相手」側なのかによって使い分けます。主語が「私」「弊社」「当方」「こちら」→ 謙譲語(へりくだることにより相手を立てる)主語が「あなた」「御社」「先生」「お客様」→ 尊敬語
● 尊敬語は主に3つのパターンがあり、次に示すことばは下にいくほど、よりあらたまった表現になります
「れる」「られる」例:食べられる
「お〜になる」「ご〜になる」例:お食べになる
「特別な形に変化する」例:召し上がる