F&Aレポート
「リアルな人間関係」の重要性 凶悪犯罪はリアルな人間関係を営んでいない人間によって引き起こされる
■カリフォルニア大学が行った調査では、大人とリアルな人間関係を築いている子どもほど言語能力が高かったという結果があるそうです。同時に、最近の凶悪犯罪のほとんどが、リアルな人間関係を営んでいない人間によって引き起こされているという説もあります。
■インターネットやスマホに依存して、多くの情報を得たような気になっている人達たちへ、なぜ人から情報を得るのか「リアルな人間関係」の重要性をお伝えします。(参考図書「デキる」大人の話し方 エイ出版社)
1.会話力の向上にはリアルな人間関係が重要「考えを深める」
インターネットやソーシャルメディア全盛の時代ですが、リアルな人間関係ほど、自分の考えを深め、会話力を高められるコミュニケーション方法はありません。人と接することで人間はさまざまな情報を得、また喜びや満足感を得ることができるのです。カリフォルニア大学が行った調査では、大人とリアルな人間関係を築いている子どもほど言語能力が高かったという結果が出ています。最近の凶悪犯罪のほとんどが、リアルな人間関係を営んでいない人間によって引き起こされています。
SNSやチャットといったメディアで人間関係をつくるのは簡単ですが、また壊れるのも簡単なのです。大変な思いで築き上げたリアルな人間簡易は苦労した分、簡単に壊そうとは思わないでしょう。リアルな世界はふたつとして同じ関係はないのです。コピー&ペーストが通用しないのです。インターネットによりたくさんの情報が拾えるようになり、世界が広がったと思ったら大間違い。知識がいくら増えても、リアルな体験を伴わない情報はほとんど役に立たないと考えてください。リアルな人間歓喜があなたの会話を豊なものにし、コミュニケーション能力を高めてくれるのです。
2.人から情報を得よう
リアルな会話で交わされる情報の量は、デジタルメディアでの情報のやりとりに比べて膨大なものです。話し手のホンネや正確な情報、そして、大切なディテールが含まれています。ディテールとは、話しの理解を助ける「細部」のことです。たとえば、友人と1時間食事をしたとします。その会話の中で、相手の悩み事、好きな人のこと、仕事の状況などほとんどの情報を得ることも可能です。コミュニケーション能力の高い人ほど、人から生きた情報を得ているのです。
会社で出世する優秀な社員は、社内の情報にもっとも精通している人物だといいます。昼食時の何気ない同僚の会話、夜の飲み会で交わされるくだけたトークなど、積極的に人と付き合って得られた生の情報を再構築し、自身の仕事に役立てているのです。ネットで検索できない情報にこそ、高い価値があることを認識しましょう。
3.相手の期待を高めよう〜会話の「序破急」
雅楽や能など、日本の伝統芸術に取り入れられてきた構成理論に「序破急」というものがあります。「序」はゆっくり、「破」は中間、「急」は速く。おもむろにはじめ(序)、展開し(破)、結びへ導く(急)という3部構成が、日本の芝居や芸能の基本的構成法でした。これは舞台だけでなく、さまざまなことに応用できると思うのです。序破急のそれぞれを「誘引」「期待」「満足」という要素に対応させることもできます。
たとえば商談。高く売りたい売り手と、安く買いたい買い手の立場は対立関係にあります。初めから本題に入れば破談となりがちです。趣味の話題などでお互いの接点を見つけて、話の「つかみ」を用意します。緊張状態をほぐす、誘引のパートが「序」に当たります。そして、いざ本題に入り、互いの思いや考えを交えるのが「破」であり、展開部ということになります。もっとも面白いことが起こりそうだと相手の期待を高めることが肝心です。そして、最後に商談の結論を出すのが「急」です。
緩急をつけたストーリー構成を考えることが、話し方を上達させ、仕事もスムーズに運べることになるのです。