F&Aレポート
F&Aレポート 2014年8月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
あなたは日本語ペラペラですか8 「どうか」「どうぞ」似た言葉の使い分け
日頃、何気なく使っている「どうか」と「どうぞ」。「どうか、宜しくお願いします」
「どうぞ、宜しくお願いします」この二つの違いを説明できますか?
■下記の言葉の使い分け例と、使い分け方を説明しなさい
1.「どうか/どうぞ/何とぞ/くれぐれも/なんとか」
<使い分け例>
どうか…「どうかよろしくお願いします」「この新聞どうかならないかな」「私はどうかしている」
どうぞ…「どうぞお先に」「どうぞ宜しくお願いします」
何とぞ…「何とぞお許しください」
くれぐれも…「くれぐれもよろしくお伝えください」
なんとか…「なんとかしてください」「なんとかなるさ」
<どう使い分けるか>2.「しっかり/がっしり/がっちり/かっちり」
どうかは、相手に丁寧に頼む時に用いるが、その場合どうぞも使える。「どうか」は、少し無理とは思うがそこをなんとかと願う気持ちが強いが、「どうぞ」は表現がいくぶんか柔らかい感じ。また「どうか」はなんとかならないかと願ったり、何か様子が変だと思ったりというような場合にも使うが、そういう場合には、「どうぞ」は使わない。
何とぞは、「どうぞ」とほぼ同義であるが、相手に願う気持ちがさらに強い。やや古風な言い方。くれぐれもは、十分に念を入れるように相手に申し入れる場合に使う。やや改まった言い方で、手紙とか別れるときの挨拶の中で用いることが多い。なんとかは、実現は難しいかもしれないが、そこを無理しても、と願う気持ちを強く表す。また十分とは言えないがそれに近い程度になるだろう、という場合にも用いる。
<使い分け例>
しっかり…「しっかり(と)つかまれ」「頭はまだしっかりしている」「しっかりした息子」「しっかり食べる」
がっしり…「がっしりした体」「がっしり(と)組み立てる」
がっちり…「がっちり(と)スクラムを組む」「最終回だ、がっちりいこう」「がっちり(と)ためこむ」
かっちり…「鍵がかっちり(と)かかる」「かっちり(と)した恰好」
<どう使い分けるか>3、「すごい/ものすごい/ひどい」
しっかりは、構成の堅さ、がっしりは、組み立ての強固さ。がっちりは、組み合わせの緊密さ。かっちりは、軽量物の結合の緊密さを言う。ほかに「しっかり」は意識や言動、態度の確かさや、十分にの意でも使う。「がっちり」は抜け目のなさも表し、ちゃっかりより重々しく使われる。「かっちり」も「かっちり組んだスケジュール」のように具体的物以外にも使われる。
<使い分け例>
すごい…「すごい目つき」「すごい腕前」「すごく怒られた」 ものすごい…「ものすごい形相」「ものすごい人気」「ものすごく驚く」 ひどい…「ひどい仕打ち」「ひどい雨」「ひどく寒い」「ひどい出来」
<どう使い分けるか>
すごいは、ぞっとするほど恐ろしい。恐ろしいほど優れている、の意。副詞的に用いて非常にの意を表す。ものすごいは、すごいを更に強めた語で、用法は同じ。ひどいは残酷だ・むごい、程度が甚だしい、の意を表し、連用形で非常にの意になるが、「ひどい作品」の場合は程度が悪いの意。
[Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]