F&Aレポート

F&Aレポート 2014年6月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

あなたは日本語ペラペラですか 6

1、オフィスの中の変な日本語
オフィスの中の会話。みんなどこか変です。どこがおかしいのか見つけてください。

  1. 「○○さんが合の手を打ってくれたお陰で、課長を説得できました」
  2. 「キャンペーンは、成功裏のうちに終わりました」
  3. 「その計画は、失敗する可能性が強いような気がするな」
  4. 「相手の返事がないので、日程はいまだに未定なんです」
  5. 「あいつ、がんばると言った舌の先も乾かぬうちに、もうだらけてるよ」
  6. 「新工場の建築は依然として進められています」
  7. 「飛ぶ鳥を濁さず、転勤までにやりかけの仕事を終わらせよう」
答え:(1)打って(2)成功裏のうちに(3)可能性(4)いまだに未定(5)舌の先(6)依然として(7)飛ぶ
  1. 合の手」は手を打つことではない。本来は「間の手」と書き、邦楽の歌と歌の間に入る楽器の演奏のこと。それが転じて、話やものごとの進行に応じて言葉等を差し挟むことを言うようになったもので、「打つ」ではなく「入れる」が正しい。
  2. 」は経過を表すので、意味が重なる。「成功のうちに」か「成功裏に」でいい。
  3. 可能性」は失敗の確率につかうと違和感を与える。「おそれがある」「不安がある」などとすべき。
  4. 」は「いまだに」の意、これも意味が重複する。」「未定です」でいい。
  5. 舌の先」ではなく、「舌の根も乾かぬうち」が正しい言い方。
  6. 依然として」は「もとのままである」という意味、「進められています」につかうのはおかしい。「今まで通りに」「予定通りに」などと言い換えるといい。
  7. 立つ鳥」が正解。飛んでいるときではなく、飛び立つときに、あとが見苦しくないようにすべてをきちんと始末しておきなさいという意味。
2、会議、報告、会話で恥をかかないために
会議や報告、会話などで、よく使われる言葉。どこがおかしいのだろう。
  1. 「では、ご報告をさせていただきます」
  2. 「結論は……ということでよろしゅうございますか」
  3. 「ただいま、課長がご説明いたされた件につきましては」
  4. 「資料はこちらに用意してございます」
  5. 「資料は私どもでご用意しました」
  6. 「この説明でわかりましたでしょうか」
  7. 「簡単に要点をまとめてみました。どうぞご拝読ください」
  8. 「社長さんはお元気でございますか」
  9. 「部長に『オマエから伝えよ』と言われましたので」
  10. 「はい、ただいま当社においで願っております」
  1. 「させていただきます」は相手の承諾を求める言い方。状況によっては聞き苦しい。 「ご報告いたします」で十分。
  2. 「ということでよろしいでしょうか」でいい。丁寧すぎるのも違和感がある。
  3. 「いたす」は謙譲語。課長の行為には使えない。「説明された」「ご説明になった」でいい。
  4. 「ございます」は自分に敬語を使う形になるので、「用意してあります」。
  5. 「用意」するのは「私ども」なので「用意」でいい。
  6. 「ご理解いただけましたでしょうか」
  7. 「拝読」は謙譲語なので、自分の行為にしか使えない。「お読みください」「お読みになってください」「ご一読ください」が適切。
  8. 「お元気でいらっしゃいますか」
  9. 自分たちの話を直接話法で言うのは、まずい。「私からお伝えするように」と、間接話法で。
  10. 来て欲しいと頼んでいるのではなく、すでに来ているのだから「願っている」は不適当。素直に 「おいでいただいてます」でいい。


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