F&Aレポート
F&Aレポート 2014年4月20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
感性を刺激することば「オノマトペ」 二次元の話が3Dに!論理と情感の交叉
■ 「オノマトペ」不思議な響きをもつこのことば事態はフランス語です。日本語でいえば、擬音語、擬態語。つまり色々な音や声、人や物の動きや様子、人の感覚や気持ちなどを音で表したことばです。「ザーザー」「しくしく」「イライラ」「ワンワン」「キラキラ」など。
■ 日本語は海外に比べて、オノマトペが非常に多いのが特徴です。「大粒の雨が、激しくひっきりなしに降っています」と言わなくても、「雨がザーザー降っています」といえば、誰でもその情景は即座にイメージできます。
■ さあ、この日本人の感性がいっぱい詰まった偉大なる「オノマトペ」を、ライフ&ワークにもっと活かしてみましょう。貴方の表現力はグンとアップします。(この「グンと」もオノマトペです)
1.オノマトペを使った表現はイメージを喚起させる
オノマトペを使った表現と、使わない表現がどう違うか、感じてみましょう。次の文章をそれぞれ比較してみてください。
「ガラガラとシャッターを開ける」 → 「シャッターを開ける」いかがでしょうか?たとえば、「店員がガラガラ声で客を呼びこんでいる」には、店員がただ客を呼び込んでいるのではなく、声が枯れてしまうほど、必死で?真剣に?長時間にわたって?大きな声で?呼び込みをしているのではないかという、想像ができます。それに伴って、多くのお客さんで賑わう店の様子や商店街の様子といった背景まで考えられるかもしれません。「店員が客を呼びこんでいる」では、そこまでのイメージは膨らみません。
「地震でガラガラと塀が崩れた」 → 「地震で塀が崩れた」
「店員がガラガラ声で客を呼びこんでいる」→ 「店員が客を呼び込んでいる」
「平日の映画館はガラガラだ」 → 「平日の映画館は空いている」
「ガラガラとうがいをする」 → 「うがいをする」
2.オノマトペを使わないで状況を説明するとしたら?
次の文章をオノマトペに代わることばで表現するとどうなるでしょう。
(1)むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へせんたくに行きました。おばあさんが川でじゃぶじゃぶせんたくをしていると、川の上流から大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
川で「じゃぶじゃぶ」洗濯していると
→ 川で水をたくさん使って勢いよく洗濯をしていると
大きな桃が「どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました
→ 大きな桃が、重たそうに川のうねりに沿ってゆっくりと流れてきました
(2)包丁を入れようとしたところ、桃はじゃくっとひとりでに割れて、中からバーンとかわいい男の子が飛び出します。※オノマトペがいかに便利なことばであるかがわかります。適切な表現は、その他にも色々あるかもしれません。意見を出し合って感覚の違いを感じてみるのもおすすめです。
桃は「じゃくっと」ひとりでに割れて
→ 桃は内側から力強くゆっくりと割れて果汁を滴らせながらひとりでに割れて
中から「バーンと」とかわいい男の子が飛び出します
→ 中から勢いよく破裂するかのごとくかわいい男の子が飛び出します
日頃の挨拶や報告が、「淡々としすぎている」「味気ない」と言われる人はオノマトペを有効に、意識的に使ってみてはいかがでしょうか。
[Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]