F&Aレポート

F&Aレポート 2014年3月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

あなたは日本語ペラペラですか 3 「依頼表現」は伺いをたてる言い方にすると角がたたない

 たとえば、「明日までにご連絡ください」と言われると、「依頼」というよりも「指示」「軽い命令」のようにも感じる。まして、これがメールのような文章になるとなおさら「上から目線」っぽい「指示」を感じる。社内ならまだしも、これが客先・取引先に宛てたものになると、ぞんざいな会社という印象を与えかねない。「?してください」よりも「?していただけますか」「?お願いできますか」という依頼表現にすると印象はガラリと変わる。さらに「お手数ですが」などの「クッション言葉」がプラスされると「手間ひまかけてすみません」という気持ちが感じられる。事務的、横柄、気が利かない…などのレッテルを貼られるタイプは、往々にして「クッション言葉」なしの「してください」型が多い。今回は依頼表現を見直してみたい。(参照 美しい日本語と正しい敬語が身につく本

1.伺う形〜相手の都合や意向を伺いつつお願いする

  1. この書類を確認してください
    △この書類をご確認ください
    ○ この書類をご確認いただけますか
    ○ この書類をご確認いただけませんでしょうか
    ○ この書類にお目通しいただけますか
    ※「ご確認ください」は敬語として間違ってはいないが、丁寧さにややかける
  2. 明日は休みます
    ×明日はお休みいたします
    ○ 明日は(お)休みを取りたいのですが、よろしいでしょうか
    ○ 明日は休ませていただいてよろしいでしょうか
    ※「お休みいたします」は一方的な主張にも聞こえる。許可を求める形がベスト
2.「クッション言葉」+「伺う形」〜丁寧さがグンとアップ
  1. 相手に面倒をかけてしまうとき
    恐れ入りますが、お手数をおかけしますが、ご面倒をおかけしますが
  2. 相手の意向を尋ねるとき
    よろしければ、もしよろしければ、お差し支えなければ、ご都合がよろしければ
  3. 急な話を持ちかけるとき
    突然のお願いで恐れ入りますが、急にご無理を申しますが、差し迫ってのことで申し訳ございませんが、
  4. 何度もお願いするとき
    たびたびお手数をおかけしますが、重ね重ね恐縮に存じますが、
    何度もお手を煩わせまして申し訳ございませんが
  5. お願いや相談ごとがあるとき
    お願い(ご相談)したいのですが、お願い(ご相談)したいことがございまして
  6. あまり親しくない相手にお願いするとき
    ぶしつけなお願いで恐縮ですが、ぶしつけながら
    誠に厚かましいお願いでございますが
3.よくあるパターンの電話応対
  1. △山田は本日お休みをいただいております
    ○申し訳ございません。山田は本日、休みをとっております。
    明日は出社いたします
  2. ×お声が小さくて聞き取れないのですが
    ○もう一度、お名前を伺ってよろしいでしょうか
    ○恐れ入りますが、もう一度お名前をお聞かせいただけますか
    ○少々お電話が遠いようなので、何度も申し訳ございません。お名前をお伺いできますでしょうか
<演習*クッション言葉を臨機応変に使いこなすのは社会人としてのスキル。シーン別にどんなクッション言葉があるか考えてみましょう。例「あいにく」「ご足労をおかけしますが」など。「すみませんが」は間違いではないが軽すぎる表現とみられる>


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