F&Aレポート

F&Aレポート 2013年8月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

あなたは日本語ペラペラですか8 似たことば 違いを説明できますか

1.意見<意見/見解/所信/考え>
使い分け例
意見…「自分の意見を主張する」「反対意見」
見解…「見解の相違がある」「政府の公式見解」(同)所見
所信…「本会議で所信を表明する」
考え…「へたな考え休むに似たり」

どう使い分けるか
意見は、ある問題についての考えのこと。「意見する」はその考えに従って他人を戒める意味になる/見解も、ある問題についての考えのことだが、「意見」よりも公の問題についての公的に発表される考えなどに使われることが多い。ややかた苦しい言い方/所信は、公的な場で表明される、ある問題についてのある人の確信ある「考え」をいう。かなりかたい文章語/考えは、前三語の意味をすべて含み広い意味で使われる日常語。
2.ベテラン<ベテラン/エキスパート/オーソリティー>
使い分け例
ベテラン…「経理のベテラン」「ベテランぞろいのチーム」
エキスパート…「幼児教育のエキスパート」「電子工学のエキスパート」
オーソリティー…「理論物理学者のオーソリティー」
どう使い分けるか
ベテランは、老練者、古強者[ふるつわもの]の意で、職能、芸能、スポーツなどの分野の人に使う。/エキスパートは、専門家の意で、技術、学問の分野で使う。原語の持つもう一つの意の熟練者という用法は少ない/オーソリティーは、その方面の権威者、大家の意で、学界などで使われる。抽象的な「力」としての「権威」の意では使われない。
3.利益<利益/収益/純益/利潤/利ざや/儲け/得分とくぶん/実益>
使い分け例
利益…「国に利益をもたらす事業」「売買で利益を上げる」
収益…「収益を配分する」
純益…「バザーの純益は寄付する」
利潤…「企業は利潤を追求する」
利ざや…「転売で利ざやを稼ぐ」
儲け…「儲けの多い仕事を捜す」
得分…「残りを得分としてもらう」
実益…「趣味と実益をかねる」
どう使い分けるか
利益は、都合がよかったり役に立ったりする事物、特に事業や運用によって増加し自己の所有に帰した金銭についていう/収益は、事業などによってあげた利益金のことで、「利益」の場合と違い金銭的なものについてのみいう/純益は、すべての収入金から必要経費を控除して残った利益金をいう。「利益」「収益」に対して必要経費についての処理がいっそう厳密である/利潤は、総収入から一切の必要経費を差し引いた残りをいい、経済用語として企業の場合の「純益」について使用する/利ざやは、取引売買の差額として手に入れる金銭をいう。売買による「収益」である/儲けは、「利益」のくだけた言い方で、金銭にも物品にも用いる/得分は、「利益」の古風な言い方である/実益は、見かけだけではない実際の「利益」のことで、「純益」とちがって金銭以外にも用いる。
 ちなみに炎暑と酷暑。炎暑は真夏の燃えるような厳しい暑さ。酷暑はどうにも我慢できないほどの暑さ。いずれも非常に厳しい暑気です。暦の上では「残暑」になりましたが、実際には「炎暑」×「酷暑」の毎日です。くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。


最新のF&Aレポート目次へ
2006年3月〜2012年3月
2006年2月以前