F&Aレポート

F&Aレポート 2013年7月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

あなたは日本語ペラペラですか 7 語彙・読解力検定1級にチャレンジ 辞書語彙編

■ 前回に続き、「語彙・読解力検定1級」から出題です。「語彙・読解力検定」は3級から設定がありますが、いやはやなかなか手強い検定です。語彙力は、思考力や判断力、表現力を高めて「生きる力」を育くみます。さらなる日本語力向上に向けてチャレンジ!(朝日新聞、Benesse 「語彙・読解力検定」公式テキスト

1、提示されている語句の意味として最も適当なものを1〜5のうちからそれぞれ一つずつ選びなさい
1 [骨肉相食む]

  1. 親戚が共に憎み合う
  2. 文明の受け入れを拒絶する
  3. 血縁者同士が互いに争う
  4. 下位の者同士が権力を争う
  5. 他人を故意に陥れる
2 [則天去私]
  1. 我執を捨てて、自然の道理に身を任せるという夏目漱石の造語
  2. 理想郷は、ただ自分の中だけに存在するという夏目漱石の造語
  3. 天を敬い、人を愛することが役人の務めという西郷隆盛の造語
  4. 悪事を働く者は、いずれ天に裁かれるという夏目漱石の造語
  5. 絶対的な存在はなく、すべては縁であるという西郷隆盛の造語
3 [死命]
  1. 飢餓のために命が危うくなること
  2. 生きるか死ぬかの大事なところ
  3. 完治することが難しい病気
  4. 統治者が臨終の際に発する命令
  5. 悲劇的で苛酷な運命
回答
●1(3)[骨肉相食む]「こつにくあいはむ」と読む。「骨肉」は「親子や兄弟など血のつながった人」、「相」は「相対する」のように動詞の上につき「互いに」という意味。「食む」は、ここでは「害する」という意味。従って(3)が正解。
●2(1)「天に則り(のっとり)私を去る」という意味で、夏目漱石が晩年に理想とした境地。ちなみに(3)は「敬天愛人」で、原拠に関しては西郷隆盛のほか、清の康煕帝など諸説ある。
●3(2)「死命」は「死と命」すなわち「生きるか死ぬか」「死命を制する」などと使う。

2、次の各文中の空欄に入る語句として最も適当なものを、1〜5のうちからそれぞれ一つずつ選びなさい
1 ニッポン人は、威風堂々として、意気の盛んな[  ]を示さなければ、信用もしなければ、尊敬もしてくれない。そして、音物をやらなければ、贈り物をしなければうまくゆかない。このようなことを悟ったのでありますが、こういうことは全部、本国へ云い送っているのであります。(坂口安吾「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」)
  1. 儀容
  2. 準縄
  3. 嬌姿
  4. 頽唐
  5. 凄惻
2 津下君は私に面会してから、間もなく大学を去つて、所々に[  ]した。其手紙は北海道から来たこともある。朝鮮から来たこともある。兎に角私は始終君を視野の外に失はずにいた。(森鴎外「津下四郎左衛門」)
  1. 客裡
  2. 本有
  3. 快意
  4. 流寓
  5. 割拠
回答
● 1(1)「威風堂々として」「意気の盛んな」から続く文脈なので、「儀容」が正解。「儀容」は「儀礼にかなった姿や態度」という意味。(2)「準縄」は「手本、規則」。(3)「嬌姿(きょうし)」は「なまめかしい姿、あでやかな姿」。(4)「頽唐(たいとう)」は「崩れ衰えること」。(5)「凄惻(せいそく)」は「悲しみ痛むこと」という意味。
● 2(4)「大学を去つて、所々に」から続く文脈なので(4)「流寓(りゅうぐう)」が正解。「あちこちさすらいながら住む」という意味。「寓」には「宿る、泊まる、仮住まい」などの意味がある。(1)「客裡(かくり)」は「旅行中」という意味。(2)「本有」は「固有」と同義。(3)「快意」は「良い気持ち」。(5)「割拠」は「権力者が領有するそれぞれの地域を基盤にして勢力を張ること」。


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