F&Aレポート

F&Aレポート 2013年3月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

"感情"を聴くということ

 自分の話を一生懸命に聴いてくれる人には、誰しも好感を持ちます。しかし、「聴く」という行為は意外に難しいものです。自分の好きな人の話を聴くとか、興味のあることを聴くのは好きですが、好きでもない人の話を、しかも、あまり面白くない話を聴くのは好きではありません。
 「きく」には、「聞く」「訊く」「聴く」の3つがあります。

  • 「聞く」…「耳」という字が入っています。聞く、聞こえる、聞き流すなど聞くことの全般を表しています。
  • 「訊く」…「言」という字が入っています。ことばを使って、話を訊ねるときに使います。
  • 「聴く」…「耳」「目」「心」という字が入っています。耳と目と心で聴くということを表します。
 一般的に「聞き上手」と言われる人は「聴く」姿勢が身に付いているのです。相手の話を勝手に結論づけたり、いつのまにか自分の話に置き換えたり、話を途中で遮ったりしない人です。
 相手に身体を向けて、目を見て、時にうなづいたり、要点を復唱したりするなどして、相手にその真剣な気持ちが伝わるように聴ける人が「聞き上手」です。
 そしてもう一つ、「聞き上手」には大事なポイントがあります。それは、「感情」を聴くということです。たとえば「長年飼っていた猫が死んでしまって、家族で供養した」という話を聴いたときに、「どこで供養したのか」「どんな風だったのか」などと事実に心を向けるのでなく、相手の感情を感じてあげる聴き方ができるということです。たとえ相手が、悲しい、嬉しい、悔しいなどの感情を口にしなくとも、気持ちを察してあげて、共感を示せる人は本当の意味で「聞き上手」といえるでしょう。
 ことばの裏にある感情をも聴ける人は素晴らしい能力の持ち主です。


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