F&Aレポート
F&Aレポート 2013年1月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
話し方教室のエピーソードから
大人の食育「味覚は幸せな思い出とともに育つ」
さて、「あなたの一番好きなスイーツは?その理由も教えてください」と聞かれたら、あなたはどのように答えますか?洋菓子、和菓子、駄菓子、なんでもかまいません。一つだけ、好きなお菓子を挙げて、なぜ、それが好きなのかその理由も答えてみてください。
たとえば、「○○のシュークリームが好きです。ここのシュークリームは昔、仕事帰りに父がよく買ってきてくれました」「コンビニの○○チョコレート。部活の帰りに皆でよく買い食いしていました」「おかきです。昔、母親が火鉢で氷餅を焼いてくれました」など。
実は年明け早々、話し方教室で実際に発表してもらったところ、半分以上の人が、好きなスイーツというのは思い出とセットになっていました。それも、幸せな思い出とのセットです。「母がよく作ってくれた」「子どもが小さいときに食べさせて、その様子が可愛かった」「貧乏な学生時代のご馳走だった」など。これは意外な発見でした。
人の「味覚」というのは、甘い辛いといった嗜好だけでなく、その周辺の情報も一緒に味わっているものなのかもしれません。誰と一緒に食べるのか、どんなシーンで食べるのか、そのときの状況や自分の気分が味覚に大きく影響しているのではないでしょうか。たしかに、怒られながら食べたとか、嫌々食べていた、、、というものは、それがいくら他人にとっては美味しいものであっても、「好きな食べ物」にはなり得ないようです。
以上のことから、なんでも美味しく食べられる人は、いろんな意味でとても"幸せな人"ではないかと考えます。また"食育"は、味覚だけでなく心を育てるものなのだとあらためて感じるのですが、いかがでしょうか。
[Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]