F&Aレポート

F&Aレポート 2012年10月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

和の作法 襖の開け方

 年を取るにつれ、または社会的な立場が上がるにつれ、和室でのおもてなしが増えるものです。そのときにきちんとした作法ができているかどうかで、周囲の目も変わってきます。オフィスでは、ビジネスマナーを身につけ颯爽と仕事をしていても、和室の作法はまったくダメというようでは残念至極です。
 たとえば、襖の開け方についてはどうでしょうか。お客様がお待ちになっている部屋の襖を開けるときに、立ったままで外から開けるのは、たとえ両手を使っておずおずと開けたとしても作法に反しています。以下、襖を開ける手順と作法です。

  1. 襖の前で正座をするか、両膝をつく
  2. 一呼吸置いて、大勢を整える
  3. 手がかりを5センチほど開く
  4. いったん止めてから半分ほど開く
  5. 手を変えて、さらに開く
  6. そのときに開ききらず、最後の部分を閉めるときの手がかりとして少しだけ残しておく
 ☆この一連の動作を自然に行うことが大事です
 立ったままでいっぺんに襖を開けた方が合理的ですが、ひとつひとつの動きには意味があります。最初に、手がかりを少し開くことで、「これから入室します」というメッセージを部屋の中にいる人に送っているのです。それによって、室内に居る人は居住まいを正すことができるので、思わぬ恥をかくこともありません。この一瞬の間で、お互いに心の準備ができるというわけです。一見、無駄に見える動きも心と心をつなぐ大事な役目を果たしているというわけです。時には、和の作法を見直し実践したいものですね。

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