F&Aレポート
どうもすっきりしない敬語「させていただきます」
先日、企業研修で敬語テストをしていてこんな発言がありました。「謙譲語にするためには、すべて"させていただきます"を付ければいい」と、言うのです。40代前半、そこの会社の管理職の男性でした。たとえば、「行く」の謙譲語なら「行かせていただきます」。「見る」なら「見させていただきます」というように。あながち間違いではないのですが、それぞれ「参る、伺う」、「拝見する」という謙譲語があります。そこを無視して、すべて「させていただきます」では、どうでしょうか?今日は、その「させていただきます」について考えてみましょう。
1.本日休業を告知するとき
「本日、休業させていただきます」 → better「本日、休業いたします」
※お客様の許可を得て、休業させていただくという気持ちがあるのでしょうが、この場合は少しくどい感じがしませんか?
2.報告するときは?
「ご報告させていただきます」 → better「報告いたします」「ご報告いたします」
3.書かさせていただきます
×「書かさせていただきます」 → ○「書かせていただきます」
※この場合は「サ入れ」言葉に注意しましょう。他にも「行かさせていただきます」「読まさせていただきます」「取らさせていただきます」など。いずれも「サ」は入れません。
4.過剰な敬語はかえって失礼
「させていただきます」を多発するのは、「付けておけば失礼にならない」という気持ちがあるからでしょう。「させていただく」は「許可を得て(させて)ありがたい(いただく)」という思いの込められた表現です。「いたします」という謙譲語でも失礼にはなりません。
スッキリと敬語表現できるほうが上級者です。二重にも三重にも敬語を使うのは、慇懃無礼な印象も与えかねません。場に応じた敬語をチョイスしたいですね。