F&Aレポート
F&Aレポート 2012年10月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
日本語力を磨こう「あなたは日本語ペラペラですか」10
■先日、「国語に関する世論調査」(文化庁)の結果が発表された。これは全国16歳以上の男女3,474人(有効回収数2,069人)を対象に行われた調査だが、全体として「自分自身の言葉の使い方」について、「非常に気を使っている」「ある程度気を使っている」は合わせて77.9%、「あまり気を使っていない」「まったく気を使っていない」は21.9%であった。■これを年齢別に見ると、60歳以上で7割に達していないのを除いて、16歳から50代までの、すべての年代で8割を超えた人が「気を使っている」と回答し、3回の経年調査の中で最も高くなっている。■興味深いのは、8割の人が気を使っているしながらも、「日本人の日本語能力の低下」については、「書く力」87%、「読む力」78.4%、「話す力」「聞く力」ともそれぞれ6割以上が「低下していると思う」と回答していること。スマホやインターネットなどのコミュニケーションツールと技術が豊かになる一方で、肝心のコミュニケーション力は「気を使うが能力は低下している」と見られている現状が浮き彫りになったような形である。本レポートでは二回にわたり、気になる箇所をピックアップしてみたい。
1.気配りなどを表す言葉のうち、使うことがあると思う言い方はどれか
平成10年度と比較すると大半の言い方で使う人が減っている(数値は使うと答えた人)
- (久しぶりで連絡するとき)ご無沙汰しております・・・・82.6%(平成10年度85.5%)
- (頼みを断るとき)お役に立てなくてすみません・・・・・・67.6%(72.0%)
- (人に贈り物を渡すとき)つまらないものですが・・・・・・60.8%(67.8%)
- (会合に誘うとき)よろしかったら・・・・・・・・・・・・56.8%(64.3%)
- (上達を認められたとき)皆様のおかげでございます・・・・52.3%(53.2%)
- (食事を勧めるとき)お口に合うかどうか分かりませんが・・44.8%(55.0%)
- (誘いを断るとき)お伺いしたいのはやまやまですが・・・・40.3%(35.0%)
- (依頼を断られたとき)どうぞお気になさらないでください・36.3%(41.4%)
- (乾杯を指名されて)僭越ではございますがご指名により・・30.6%(37.8%)
- (美術品などを見て)おかげさまで目の保養になりました・・30.5%(41.9%)
- (歌や演奏を披露して)お粗末でございました・・・・・・・13.1%(20.1%)
本来とは違う意味の方が多く選択されている( が本来の意味)
- 煮え湯を飲まされる
(ア)信頼していた者から裏切られる・・・・・・・・・・・・・・・64.3%
(イ)敵からひどい目に遭わされる・・・・・・・・・・・・・・・・23.9% - うがった見方をする
(ア)物事の本質を捉えた見方をする・・・・・・・・・・・・・・・26.4%
(イ)疑ってかかるような見方をする・・・・・・・・・・・・・・・48.2% - にやける 例:彼はいつもにやけている
(ア)なよなよとしている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.7%
(イ)薄笑いを浮かべている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.5% - 失笑する 例:彼の行為を見て失笑した
(ア)こらえ切れず吹き出して笑う・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%
(イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4% - 割愛する 例:説明は割愛した
(ア)不必要なものを切り捨てる・・・・・・・・・・・・・・・・・・65.1%
(イ)惜しいと思うものを手放す・・・・・・・・・・・・・・・・・・17.6%
どちらの言い方を使うか( が正解)
- 本心でない上辺だけの巧みな言葉を
(ア)口先三寸・・・・・・・・・・・・・・・56.7%
(イ)舌先三寸・・・・・・・・・・・・・・・23.3% - 世間の人々の議論を引き起こすことを
(ア)物議を醸す・・・・・・・・・・・・・・・58.0%
(イ)物議を呼ぶ・・・・・・・・・・・・・・・21.7% - 「快く承諾すること」を
(ア)一つ返事・・・・・・・・・・・・・・・・46.4%
(イ)二つ返事・・・・・・・・・・・・・・・・42.9%
[Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]