ボストーク -- Boss Talk --

湊町レター Letter From Minato-machi 2013年10月1日 28

 じぇじぇじぇと倍返しの9月も終わり、2013年も10月になりました。テレビドラマがここまで世間の人たちの話題に上るのも久しぶりだと思います。「あまちゃん」は、いろいろな角度で取り上げられました。震災、アイドル、親子関係、先細る地方経済・・・。私にとっては、薬師丸ひろ子と小泉今日子が共演するという状況が何と言っても衝撃でした。また、台詞もよく聞くとかなり凝っていることが分かります。「半沢直樹」は、銀行関係者の方との会話で、必ず話題にも上りました。出向、金融庁検査・・・。私にとっては、実は半沢直樹と同じ大学出身と言うこともあり(原作を読めば分かります)、もし就職活動を続けていれば、この世界に入っていたかもしれないというちょっと違う感覚で観ていました。

 さて、10月に入り、安倍首相から消費税の税率引き上げの方針が最終的に打ち出されました。同じタイミングで、米国では予算の不成立による政府機関の閉鎖が実施されています。オバマ大統領が始めた医療保険改革(オバマケア)をこのタイミングで抹殺したい共和党と、制度を維持したい(その結果、わがままな共和党のイメージを受け付けられる)民主党とのせめぎ合いに、米国民と世界経済が巻き込まれているという印象です。過去にも国債発行残高の調整でギリギリまで交渉が行われ、直前で回避というケースがあり、今回も短期間で妥協が行われるだろうという見方が広がっているようですが、予断は許しません。予算が成立しなければ、米国債の償還が不能となる最悪のケースも想定され、日米両国が、税金が国を支えるという非常に重要な事柄を改めて考える事態になっています。安定政権となった日本では、現時点で、米国と同じ状態が発生する可能性は低いですが、政府の債務残高は、ますます積み上がってきています。その最大の理由は、社会保障費の増大と少子高齢化に伴う国力の減少(納税額の減少)です。社会保障が国を危うくしている状況は同じです。つまり、対岸の火事とは決して言えない状況です。

 消費税については、これから具体的な対策が必要になってきます。家計で見ると、円安による輸入価格の上昇により、すでに物価は上昇傾向にあり、ここで消費税が3%引き上げられると、かなりのダメージになる可能性があります。また、企業にとっても、8%の価格転嫁が確実に行われるのか、売上の減少がどの程度発生するのか、納税額の資金繰り確保、さらには料金表等の事務的な対応の検討も早急に必要になってきます。まだ半年ですが、日常業務のことを考えると、あっという間に4月1日を迎えます。早め早めの手を打っておきたいものです。

 いずれにしても、10月です。松山のお祭りが終わると、気温も下がってきます。気候の変化にはあまりムリをせず、体調管理には気をつけましょう。