ボストーク -- Boss Talk --
GW前後から続いた晴天の日も終了し、例年より早い梅雨入りとなりました。雨が多くてうっとうしい日が続きますが、紫陽花の花は綺麗に咲いていますし、この時期の田植えには水は欠かせませんし、日本人の肌がきれいなのはこの湿気が影響しているとも言われています。また、東南アジアで見られる強い雨と比べると、まだ静かな雨が多い日本ですから(国内でもゲリラ豪雨が増えてきましたが)、良いように考えて過ごしたいものです。
さて、安倍政権成立後日本全体を覆っていたバブルのような市況ですが、5月後半から株式市況で乱高下が始まりました。5月20日過ぎに16,000円に迫っていた日経平均株価は、23日に急落し、5月末時点では13,000円台を推移しています。先月、金利にご注意と書きましたが、異次元金融緩和以降4月には0.5%割れしていた長期金利(10年)は、同じ5月後半には0.95%近くまで上昇し、1%台にあと一歩のところまで迫りました。為替も、微妙な動きを繰り返しながら、チャートを見ると円高に振れつつあります。
市況が動く背景には、中国経済の変調や、ヘッジファンドに代表される外国人投資家の動き、GDP(国内総生産)や失業率等の政府機関から出される経済統計が原因とされると報道されますが、それらの動きと完全に連動しているわけではありません。様々な経済活動(指標)を見ながら、株、為替、金利と言った数字上での利益を稼ぐために、マーケットが動くことが多いと見た方が良いと思います。例えば、市況が上がってくれば、利益を確保するために売りたいと考えるのは人間の心理です。個人の方が、投資商品を選ぶと言うことで考えれば、そのような報道を丸呑みするのではなく、投資する目的(例:老後資金や教育資金の確保)に合わせて、自分が把握できる内容での投資をまず目指すべきだと思います。また、証券会社等を利用する場合は、そのコストが発生しますから、コスト以上の利益を確保するという点に注意が必要です。
政治の世界では、維新の会の橋下代表の慰安婦発言が大問題になっています。このコラムではあまり政治的なことは書かない方針ですが、参院選も近いので少しだけ触れておきます。従軍慰安婦のような問題については、過去がどうであろうと、あってはならないというのが世界の政治の常識です。日本の政治家の多くは、過去にこだわろうとしますが、世界の中でそのような反応は許容されません。過去はどうであれ、女性の人権は尊重されるべきであり、他の選択肢はないと言うことです。つまり、両者の主張の筋がまったく異なっているのです。それを理解しないで過去にこだわり、自分の発言を強く主張すればするほど、世界の政治の中で、日本の政治が浮いてしまいます。これは慰安婦の問題だけではありません。尖閣問題についても、日本の主張は正当であるから、国際的にも容認されるはずだというのが、おそらく日本人の多くの反応だと想像しますが、正当であるためにはタフに議論しなければなりません。中国の主張は、中身はともかく、タフであることは間違いありません。国際化の中で、日本の政治が認められるためには、そのような感覚を持つことが大切です。
今回はちょっときな臭い話でした。梅雨の間は気温も乱高下します。お体にご注意下さい。